ラブソングは突然に (ページ3)

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『あ‥』

朝もらった牛乳が残ってたんだ

『んー‥』

一人で飲むには少し多いし、家に持って帰ってもストックがある

裏からお店を見るともうすぐお客さんの対応が終わりそうな横山先輩

『そうだ、』

私と、横山先輩のマグカップに牛乳を2等分する

2つのカップを電子レンジに入れスイッチを押す

チーンという音と同時に横山先輩が部屋に入ってくる

裕「あれ、まだ帰ってなかったん」

『これ‥‥』

電子レンジの中を指さして見せる

取り出そうとカップの取手に手をかける

『あつっ‥』

裕「大丈夫か？ヤケドしてない？」

ぐっと近寄る距離

顔が、近い

『大丈夫、です‥』

顔、熱い

絶対赤くなってる

裕「赤くなってるやん」

『え‥』

裕「ゆび」

顔が赤いのは、ばれてない？

裕「冷やしてき」

『はい‥』

隣の部屋の水道をバシャバシャと出す

指が冷えていくのと同時に顔のほてりもとれる

『先輩、』

裕「ん？」

両手にカップを持った先輩がこちらを見る

カップの中の牛乳は湯気を立てて薄く膜が張っている

『あ、いえ、なんでも‥』

裕「ほんま？ならええわ

‥てか、これって俺も飲んでええの」

黒のカップを指さして首を傾げる

『はい、どうぞ』

先輩の前の椅子に座って自分のカップを引き寄せる

その手を先輩がつかむ

『え‥なんですか‥』

また、顔が熱くなる

裕「よかった、何も無さそうで」

横山先輩は、やっぱり優しい

『さっきの、逆の手ですけどね』

裕「え！まじか！

うわぁ、はず‥」

照れて、顔を綺麗な手で隠すところも素敵です