256 ヒョンは、(JM) ページ6
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YG「待ち受けばっか見てんじゃねーよ」
一週間の始まりの今日は残り少なくなった引き継ぎ作業の為、相変わらずヒョンと外回りに出ていた。
JM「違うし…」
ハンドルをきりながら薄く笑ってちゃかすヒョンには、今日も僕が恋に溺れた幸せな男に、見えるらしい。
あのまま帰って、何度もどうにかしないとって思ったけど、どうにも出来ないまま今朝を迎えて。
もう全部どうでもいいや、ってなるくらい疲れてるはずなのに…
いっそそう思えれば、楽なのに…。
通知を期待しては携帯を何度も確認して
その度に肩を落とす自分が、情けない。
YG「あ。昨日の夜中…あっちは朝か、連絡きたわ。今月いっぱいで俺あっちに行くから」
JM「…はい。」
YG「もう部屋も何もかも、整ってる。お前は?どうする」
JM「どうって?」
YG「一緒に発つか?」
月末まで二週間くらいしか…ない。
JM「……そう、ですね」
YG「もうほとんど片付いたし、その段取りで問題ないな」
JM「…はい」
ヒョンは小さなガムを口に放り込んで、僕にも一つ差し出した。
YG「で?お前、言ったの。」
JM「何の事ですか。」
ガムに巻かれた紙をめくりながら、とぼける。
YG「まさか、まだ言ってねーの?」
JM「ヒョンに報告する必要、あります?」
車内に沈黙が流れる。
心の中で、何度目かわからないため息をついた。
お互い様。いらない。嫌いだった。
Aの言葉がぐるぐる回るのに
自分の言った言葉に、自分が一番傷ついてる。
それが、ジョングク…。
ずっとAを信じられなかったのは、僕の方。
YG「俺もテヒョンも黙ってるし、ジョングクも察してるけど黙ってくれてんだわ。ちょっとは周りの事も考えろ。」
反発したいけど、出来ない。
反発する元気も…ない。
ジョングクが黙ってくれてるって?
あっちはそのタイミングを見ながら、あざ笑ってるだけなのに。
YG「何より相手の気持ち…考えてやれよ。二週間後だってのに」
会社はもう、すぐそこだった。
窓の外を眺めると、Aと過ごしたカフェテラスが目に入る。
歩道橋が見えて…いつもの交差点を過ぎると
角の新しい花屋さん、あの風呂敷やさん…
いつの間にかこの街は思い出したくなくても
Aを思い出す要素で溢れてた。
立派な花壇に囲まれたビルに到着する。
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王様じゃんぷ(プロフ) - m_hjrさん» ありがとうございます。コメント嬉しい😍※※※の味は年齢制限があります。どうすれば見れるのかは詳しくないので調べてみて下さい、ブラウザでフィルタ解除が必要?🤔是非方法がわかり沢山の作品を読める事を願っています。 (2023年4月5日 19時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
m_hjr(プロフ) - 初めまして、全て読ませていただきました…とっても素敵なお話で読んでいて話の世界に引き込まれて時間を忘れて気づいたら朝でした笑 ***の味も読みたいのですがどうすれば読めますか👀 (2023年3月29日 18時) (レス) id: b8ecf24bfc (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - 凛さん» あちらは50話まであと3話書ける事が判明しました🤩※※※の味も完結させたら壮大に褒めて下さい☺️🤣 (2023年2月5日 20時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ちょ、え、え?そんな嬉しいことありますか、、、!!!楽しみにしてます🙈 (2023年2月4日 21時) (レス) id: 5f9a523842 (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - BtJuminaさん» ありがとうございました。釜山の映画を見てから完結しようと決めてました。いつも反応がくるのが、本当に心強く、幸せでしたよ。本当にです。またいつか🌈 (2023年2月4日 0時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2022年12月1日 19時