冴えない女は蜜の味6 FINAL《JM》

273　耳を触る癖(JK) ページ23

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JK「飛行機に乗るんでしょ？俺はいいから、出て下さい」



ユンギヒョンは電話に出るのをためらう。
きっと俺との最後の時間を大切にしてくれての事。




JK「出て。いいから、」
YG「悪い、すぐ済むから。……もしもし」



そう言って俺に背を向けて、少し離れてく。
俺達に…って言った方がいいのかな。



俺はジミニヒョンを横目で見た。
ジミニヒョンはポケットに手を入れてユンギヒョンを見てる。


……話す話題がない。


もう食いかかったって、なんの意味もないし。
それに最後くらい、わざわざ意地悪な自分で居たくない。


このままユンギヒョンが戻るまで
特に何も話さずに待とう…ちょっと気まづいけど。











JM「姉弟は…仲良くやってる？」



驚いた。

ジミニヒョンの方から、ヌナの話題を振ってくるなんて。


JK「まあ、いやもちろん…」



予想してなかったから、うまく答えられない。



JM「姉弟なのかなんなのか、知らないけど。相変わらずなら良かった」

JK「姉弟です。」



ちょっと強めに反応してしまう。



JM「ジョングガ。」
JK「はい。」




空港のざわつきが、止まった気がした。
ジミニヒョンが俺の瞳を見つめる。









JM「ありがとう。」







JK「はい？」


　

今、なんて言った？





JM「ジョングガが居てくれるから、Aは独りじゃない。」


ありがとうって言った…？


JM「僕が出逢う前、辛かった時もこれから先も。ジョングガが居ないと…Aは孤独だから」

JK「……」

JM「耳を触ったら、守ってあげて。きっと凄く焦ってる」






ジミニヒョンの優しい視線を冷たく受け止める。






JK「無理です。」





ほんとに、呆れる。





JK「ヌナは焦っても、耳を触る癖はありませんので。」

JM「いや、あるから。いつも、」

JK「焦ってるわけじゃ、ないから。」



耳を触るのは…

思い出してみてよ。
ジミニヒョンは何度もその仕草を見てきたでしょ。


俺は、ペアリングを買ったあの日から、
ヒョンがヌナの心を埋め尽くす度、その仕草を見てきたよ。



俺はその可愛い仕草が、好きになれなかった。





JK「ジミニヒョン。やっぱりヒョンは…なんにも知らないですね？ヌナの事。」





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