189 ジミンのペース ページ39
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ジミンの腕を無理矢理引っ張って地下に繋がる階段あたりまで、走った。
JM「ぷっ……ふはははははは」
A「何笑ってるのよっ!!」
掴んだ腕を見せ付ける様にわざとらしく顔に近付けて、睨みつける。
JM「何でそんなに逃げるの、ははは、めちゃくちゃ焦って走って、面白い、」
A「全然面白くないから!!」
JM「みた?皆の顔。ふははっ、僕が話かけた相手がAだもんね、そりゃあ静まり返るよね?」
A「当たり前でしょ!静まり返るよ!!何したか、わかってる!?」
JM「何。駄目なの?僕に誘われて光栄でしょ、皆羨ましがってる。」
A「ねえ。辞めて?皆が見てる所は駄目!」
JM「皆が見てない所なら何しても、いいの?」
A「そっ、そうじゃ無くて!」
JM「Aは隠れるのが好きだもんね。でも僕は隠れるのは、きらい。」
A「いい加減にしてってば!!」
握って見せつけていた腕を振り払われて、今度はジミンに腕を捕まれる。
JM「嫌なの?…ならハッキリ言ってよ。」
A「あんな風に誘われるのは、嫌!」
JM「じゃあどんな風に誘われたいの?」
腕から手のひらに、ジミンの手が絡みつく。
A「……っ、もう。」
その手に焦って今度は私が、振り払った。
ジミンのペースに乗せられてしまわない様に一歩下がって距離をとる。
JM「どんな風に誘えば、一緒に居れるの。教えて。そうするから。」
どんな風に、って…
だからそれはあんな風にじゃなくて…
A「…………電話、とか、さ」
JM「内線?営業部から総務部に?何それ、何か興奮する」
A「違っ、!」
どうしてふざけるの!!
A「ジミン。何がしたいの?」
静かに見上げる。
JM「何がって、Aと居たい。それだけ」
無表情で私を見下ろすジミンの薄く開いた瞳。
私はいつも、それに捕らえられる瞬間が、一番苦手だった。左胸がドクドクうるさくて、高鳴る音をジミンに聴かれてしまいそうだから。
ポケットの横にある手が、私の手に優しく触れる。
JM「…また、怒る?」
A「怒ってないけど…いきなりあんな風に誘われると…。駄目だよ」
手は簡単に振り払えても、
心を捕まれると離しては、くれない。
JM「この会社の皆に、僕とAがこういう関係だって知られても全然かまわないけど。そっちは都合悪い?Aは何を、隠したいの?」
繋いだ手にギュッと力が入った。
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王様じゃんぷ(プロフ) - ぐうさん» 仕事の合間に聞いて泣いてみます💮5章も今から話が動くんで楽しんで下さいませ🌟また話しかけて下さい! (2022年11月2日 7時) (レス) id: 708020874a (このIDを非表示/違反報告)
ぐう - このお話すごい大好きです(՞ . .՞)♡このお話がすごい"paid paipar"の曲の歌詞がジミンとヒロインにマッチしていて泣けてきました笑 (2022年11月1日 22時) (レス) @page46 id: afc8ed882c (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - nnonnoさん» 嬉しくてスクショしました😭笑。モチベが落ちてたので本当に嬉しい🌈また来て下さい😭 (2022年10月27日 22時) (レス) id: 708020874a (このIDを非表示/違反報告)
nnonno(プロフ) - まるで映画を観てるような気持ちで読んでいます。作者様の表現力、言葉のチョイスすべて最高です。伏線の張り方も回収もプロですね!本当に読み応えのある作品でグクと主人公の奥深すぎる愛にも号泣しています。みんな幸せになって欲しい!更新楽しみにしています (2022年10月27日 9時) (レス) @page50 id: 498383e375 (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - 7neanooonさん» お疲れ様です😌💓5章で待ってまする🌈 (2022年10月17日 7時) (レス) id: 708020874a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2022年9月1日 16時