冴えない女は蜜の味 4《JM》

166　一緒だから(TH) ページ16

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TH「とにかく。僕は仁川だからすぐには戻れないよ。今タクシーで高速乗ったー。」

JM「1時間くらいか…」
TH「1時間あれば何か出来るとか思ってる？会社だよ？スケベもそこまでいくと手のつけようがないね。」



JM「馬鹿！！思ってる訳ないし！！！！」



TH「ほんとかなー。…くふふっ」
JM「何笑ってんの」

TH「扉開けてあげたら、また泣いてるなんて辞めてね？」


僕しか頼みの綱がないジミンをからかうのは、
すっごく楽しい。


TH「またフラれても、もうかける言葉が見当たら無いんだからっ、」


めちゃくちゃ反論したいだろうけど、反論出来ないでいるジミンに、クスクス笑い声が隠せない。

今の立場は完全に僕が、上だ。


JM「テヒョンァ…今この瞬間を絶対に忘れないからね……！！急いで、宜しく」


めちゃくちゃ不機嫌に言ってくる。笑っちゃいそう！


TH「テテ君に任せて！一時間、有意義〜に過ごしてよ。誰も来ないんだしっ、くふふふふ」


言いたい放題で電話を切る。



とにかく寄り道しないで帰らなきゃ。Aちゃんのお迎えの時間が来るまでに。


TH「運転手さん、めちゃくちゃ急いでるんで、お願いします。」

あー、楽しいっ。楽しくて仕方ない！












でも、書庫になんて何の用だったのかな……
あ…、ユンギヒョンと進めてるLAの件か！




それにしても、どうして補佐になる事をあんなにアッサリ決めたんだろう。

まるでためらいもしないんだから…

有能で、努力家で、何でもこなすジミン。こうして僕を頼るくせに、僕の事大好きなくせに、肝心な事はいつも話してくれない。



ジミンと過ごした窓際の時間を思い出しながら、車の窓に打ち付ける雨が斜めになって流れるのを、ボーッと見つめた。


そう言えば、ジミンとAちゃんが一緒にいる時はいつも雨が降ってる。



初めて僕を二人で助けてくれた日も。
三人で笑いながら、親睦会の準備をした日も。
僕といる猫ちゃんをさらってった日も。


今日だって。





何だかんだで、凄くいい思い出。


こうして過ごす時間も、窓際の時間もジミンと一緒だから楽しくて。


全部ジミンとだから。






スピードをあげたタイヤが道路の雨を勢いよく跳ねて窓にかかる。



いつも見える高速からの景色は、見えない。




いつもの景色が見えなくなるのは、

ちょっとだけ、寂しくなるじゃん。





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