165 おばけでるよ! ページ15
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JM「テヒョン?今会社?」
Aに急かされながら電話をかけると、すぐに出てくれた。
TH「外出てるよ、今日はプレゼンって言ったじゃん。今丁度終わった。どうしたの?」
JM「うん…あの、えっとさ、書庫に」
TH「しょこ…?」
電話に耳を当てた僕を、Aは両手を胸の前に合わせて、願うような表情で不安げに見つめる。
僕はAと目を合わせて、不安を消すように、頭にポンと左手を乗せる。
僕が、居るからね?
JM「書庫に…閉じ込められて…」
TH「はい?」
JM「何時に戻る?」
TH「いや、書庫ってあの気味の悪い書庫?!」
JM「そう、その書庫」
TH「何それ、なんで、こわっ!!おばけでるよ!」
JM「ふざけてる場合じゃなくて。何時に戻る?」
テヒョンは相変わらずな口調でふざける。
TH「Aちゃんみたいな幽霊、でるよ。あ!Aちゃんは綺麗なお姉さんだった!」
呑気に笑うテヒョン。
JM「笑ってないでさ」
TH「ユンギヒョンとか営業部の誰かにかければ?すぐに出られるよ。」
JM「あー、んと、それは……出来なくて」
TH「なんで?」
全然焦ってないテヒョンがあっけらかんと聞いてくる。ゴクンと唾をのんで、息を整えた。
JM「Aと…二人で閉じ込められたから…」
言葉が返ってこない。
Aは僕の言葉に戸惑うように目を泳がせてうつむいた。
頭に置いている手で数回撫でてあげると、上目遣いがこっちに向けられる。
ここから出る事に必死なのに、
ここから出れない事を期待してしまいそう。
JM「テヒョン?繋がってる?テヒョン!」
TH「繋がってるよジミナ……開いた口が塞がらないの。本当に幽霊じゃなくて、Aちゃんなの?」
JM「だから、テヒョンにしか頼めな…」
TH「ねぇ!?僕の知ってる限りでは君達は親睦会で終わった仲なんだけど!!」
JM「それで、あってる」
やっと状況を把握したテヒョンは早口になった。
TH「じゃあなんで二人でそんな所でコソコソイチャついてんの!?」
JM「イチャついて何か無い!たまたま会って、たまたま閉じ込められたの!!」
TH「嘘。そんなの、ここに居ます!って言えばいーじゃん。言えない事してたんでしょー。だから二人で隅っこに隠れて閉じ込められたんだ」
さすが親友だと思った。
まるで全部、見えてたみたい。
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王様じゃんぷ(プロフ) - ぐうさん» 仕事の合間に聞いて泣いてみます💮5章も今から話が動くんで楽しんで下さいませ🌟また話しかけて下さい! (2022年11月2日 7時) (レス) id: 708020874a (このIDを非表示/違反報告)
ぐう - このお話すごい大好きです(՞ . .՞)♡このお話がすごい"paid paipar"の曲の歌詞がジミンとヒロインにマッチしていて泣けてきました笑 (2022年11月1日 22時) (レス) @page46 id: afc8ed882c (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - nnonnoさん» 嬉しくてスクショしました😭笑。モチベが落ちてたので本当に嬉しい🌈また来て下さい😭 (2022年10月27日 22時) (レス) id: 708020874a (このIDを非表示/違反報告)
nnonno(プロフ) - まるで映画を観てるような気持ちで読んでいます。作者様の表現力、言葉のチョイスすべて最高です。伏線の張り方も回収もプロですね!本当に読み応えのある作品でグクと主人公の奥深すぎる愛にも号泣しています。みんな幸せになって欲しい!更新楽しみにしています (2022年10月27日 9時) (レス) @page50 id: 498383e375 (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - 7neanooonさん» お疲れ様です😌💓5章で待ってまする🌈 (2022年10月17日 7時) (レス) id: 708020874a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2022年9月1日 16時