164 名前はリリー ページ34
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砂利を鳴らしながら動いたタイヤが、走り出す。ナビが向くのは私の、マンションだ。
ジョングクくんとの思い出せない夜を、少しづつ知る。まるで別の誰かの話のように、その話を聞く。そこにいるのは自分であるのはわかるんだけど、泡と消えた記憶のかけらを探そうたって、探せるわけはない。
車が揺れる。
知らない洋楽がまた、流れる。
ジョングクくんだけが覚えている夜を、ジョングクくんだけが思い出す夜を、想像してみた。
そこにいる自分の乱れた姿を想像してみた。
どんな風に抱きしめられたのか
どんな風にキスしたのか
どんな風に伝えられたのか
どんな風に受け止めたのか。
場面がひらり脳裏をよぎるのに、やっぱりそれが夢なのか、どこかの誰かとの古い記憶なのか、テレビや映画のワンシーンなのか、曖昧で霧がかってて、ジョングクくんと私だとは思えない。
それがあの夜だと思えるほど、鮮明には帰ってきてくれない。切り抜かれた霧だらけの場面。
「頭と頭も、線で繋げたらいいのに」
「イヤホンみたいに。共有したい」って言ったら「思い出したいっすか」って聞かれる。
「うん。今はね」
JK「この花は…９月生まれの花。俺の誕生花なんすよ」
ジョングクくんが腕をまくる。ハンドルに乗せられた腕に彫られた、花。
JK「タイガーリリー」
「リリー。ユリ…？」
JK「そう。ユリの花」
驚く。ジョングクくんの誕生花を手の甲に描いてるなんて。ますます、どーゆー事？。
てかもうジョングクくんを好きで、確定じゃん…
JK「俺のオンマ。今はママって呼ばれてるけど、源氏名はリリーです」
「……リリー」
JK「ユリの花。」
９月生まれの大切な宝物からとった、名前
“花の香りに引き寄せられて華麗に夜空を飛んでる。世界で一番、強くて美しい花に、惹かれてる”
…ユリの花を眺めながら言った、ミルクベリーさんの言葉を思い出す。
花に引き寄せられて、オンマに憧れてあそこにいる。凛と美しく、強く咲くリリーに、惹かれて…
JK「この花は、オンマです」
花を撫でて、袖をしまうジョングクくん
…やっぱり私の考えること何て
恥ずかしくなる程、浅はかだった。
「なんか…情けない。私なんかに解れる筈がないのにさ」
解り得ない。でも皆がユリの花を描きたくなる気持ちは私にだって、もうわかる。
「皆、オンマが大好きなんだよね…」
なのに嫉妬なんかして。
情けない。
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ムンバイ(プロフ) - ホソク兄さんとのやり取りをめちゃくちゃ求めてる自分が居る。 (2月24日 18時) (
レス) @page13 id: 473ae39a9f (このIDを非表示/違反報告)
(名前)まろ(プロフ) - ハヂメまして。ひっそりといつも楽しく拝見させて頂いております。変態なのに切ない、素晴らしいお話です。引き続き楽しみに拝読させて頂きます。お身体に気を付けて執筆お願いいたします。 (2月1日 21時) (レス) @page50 id: 9c3c554a02 (このIDを非表示/違反報告)
Nonno(プロフ) - あ~たまらん。もぅ遠慮なしのじょんぐくの変態っぷりが気持ち良くてランジェリーショップの店員になりたいパジャマだってホレホレこれだろ？ってやつ出してあげる！ (1月3日 12時) (レス) id: d18fc54fcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 可愛い2人をたのしみにしてます✌︎王様じゃんぷさま良いお年を〜✌︎ (12月27日 17時) (レス) id: 3caf547fd7 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツ(プロフ) - JK、ド変態なんだけどやっぱりカッコイイし愛がいっぱいなのが良き✨好き✨ (12月14日 21時) (レス) id: 16a26e8c98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：王様じゃんぷ
| 作成日時：2023年11月22日 22時
