210 “離れたくない” ページ10
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A「新しいヤドを探す旅を楽しんでね、次の貝殻も気に入るといいね!」
Aは名残惜しそうに言葉をかけて手放した
JM「ヤドコは幸せになるよ」
A「どうして?」
JM「新しい貝殻を選べる。新しい世界に飛び込める」
Aも、移り住まない?
僕との新しい世界に飛び込んでよ
ジョングクの中から、抜け出して…
A「新しい世界…。私だったらそんなに簡単にヤド変え出来ないなあ〜」
Aの言葉は、僕の胸をチクリと刺した。
ジョングクとの暮らしは…そんなに快適なの?
再び僕の手を引いて、僕の心を転がして、波がすぐ足元までくる所で止まった。
JM「…裸足になる?」
A「あー……暫く、聴いていたい…」
波の音に耳を傾ける様に、髪を耳にかけて
穏やかな表情で目を瞑るA。
潮風で髪が柔らかく揺れて、Aの香りと潮の匂いが混ざり合う、その空気は僕を優しく包み込んだ。
目をあけて僕を見たAは、
泡みたいに儚くて凄く綺麗だ。
Aは急にしゃがんで、砂浜に転がる枝を掴む。
A「なに書く?」
女の子がよくやるやつ。
JM「何って。ジミンハート、みたいなの?」
“ジミン♡A”
A「こんなの?」
何の感情も無い、僕が書かせただけの砂浜の文字に、
柄にもなく簡単に胸がときめく僕は、乙女心とやらが芽生えたのかもしれない。
JM「貸して?」
僕もしゃがんで、文字を並べた
“Aといると楽しい!”
A「ふふ、貸して?」
“私も!”
Aは黙って枝を僕に向けた
“Aが笑うと嬉しい!”
僕はAに枝を渡す
“私も”
渡された枝で想いを伝える。
“ずっと叶わないと思ってた”
続けて僕が書く
“ずっとこうしたかった”
甘く笑うAに僕も笑って、おでこをコツンと合わせた。
僕のそばに居て?ずっとずっと
“離れたくない”
そう書いた途端、胸がギュッと痛んだ。
Aは立ち上がる。
A「文字はやだ…」
僕も、立ち上がる。
JM「A…」
追いかけても離しても、やっぱり好きで
JM「僕の方が何度も思ったよ」
大きな波がパシャンと音を立てて僕達の足元まで届いた。
JM「Aの事が、大好きだ、って。何度も思った」
Aを引き寄せる。
JM「…愛してる、A。…誰よりも愛してる。」
キスをした僕の足元の
最後に書いた僕の想いは、
波にさらわれて、跡形もなくなった。
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王様じゃんぷ(プロフ) - BtJuminaさん» ありがとうございます。JKボスを忘れないで待ってて下さい😜最終章でお待ちしてます! (2022年12月1日 18時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - 凛さん» 希望とは…はて?笑。ファイナルで待ってます。先に謝ります!ずっともれなくこのお話らしく…辛くてごめんなさい😛最後に、いつも本当に有り難うございます😭 (2022年12月1日 18時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - maiさん» もぎ取るって笑いました🤣全力応援…(涙)是非懲りずにラストまでかまって下さい。待ってます! (2022年12月1日 18時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - 7neanooonさん» 一途じゃないのに一途。笑。まさにその通りです。ファイナルで待ってます(‐人‐) (2022年12月1日 18時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - nnonnoさん» アアア…こんな辛い話。笑。最後までお付き合い宜しくお願い致します😭 (2022年12月1日 18時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2022年10月16日 12時