なぜなら、僕達は。【bts】

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君が島に来てから夜中になると
胸が膨らんで、夜空を見上げると
君の笑顔が浮かんで


ボーッと、何も手につかなくて…


また朝になると一目散に君に向かった。


一日が早かった。
一週間が早かった。

最後の日が、信じられない位早く
僕を追いかけてきて

ケラケラ笑って
君を連れ去ろうとする。





「…寂しくなるね。夏の終わりって」
「また、会えるよ。」



浜辺ででっかい砂の山を作って、「テヒョン、トンネル作って」ってあの頃みたいに言うから、頭にタオルを巻いて、トンネルを作る。


反対側からトンネルを掘る君と
こっちから頑張って、君に繋がるトンネルを

繋げたくて
繋ぎたくて





砂の山のなかで、僕の右手が
君の右手と、繋がる





「あっ、トンネル貫通！捕まえた」
「アハハ、手、離して？」



見えない砂の中で
いつぶりか…触れた君の手。




「A……」
「……なに。テヒョン」



離さない。


寂しいよ。恋しいよ。
離れたくないよ……って言葉になんて
ひとつも出来なくて



「もう、時間だよ」



って、ギュッと繋いだ手を、離す。


まるで夢みたいに。
夏が終わる。


眩しい君が、高い声で笑う淡くて熱い
夏が終わる。


砂浜に、いつもの様に僕と君の名前を書いて
恥ずかしそうに笑った君の文字を

波が消す朝には君はもうここに、居ないんだね。









君はフェリー乗り場に向かって歩いて

「またね！テヒョン。」

そう言って振り向く。

「…またね。楽しかった」







麦わら帽子をパフッと外して
ニカッと笑う君




昔は

ちょっと僕から離れたら
誰よりもおっきな声で


『行かないで！』って
叫べたのに



その手を誰よりも早く
握りしめて

『僕から離れないで！』って
叫べたのに




『僕はAが大好き！』って
言えたのに。




島で一番、大好きだ！って言ったら
「島はすっごく狭いの！テヒョン知らないの？」



って

馬鹿にして、僕より早い足で
ひまわりの坂道を駆けていく背中を


追いかけて、追いかけて
捕まえたくて…




大好きな君を、クールに見送る今の僕は
夏が来るごとに

大きくなる想いが膨らんで

君との別れが、秋が来るたびに
苦しく、苦しく膨らんで






時計の針を夜中に布団の中で
何度も何度も戻した。



時が、君を連れ拐わない様に
夏が終わらない様に


必死になって、時計の針を戻したけど。




戻しても、戻しても

涙で時計が、壊れても。




時だけは、止まらなかった。






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