なぜなら、僕達は。【bts】

〜なぜなら夢は ページ31

.


『ふたりの挙式叶えます！
オーダーメイド出張結婚式のジン！
お電話一本！理想の結婚式を…貴女に』



ラジオから、うちのCMが流れる。


「ダッサいCM」


プチっとラジオを消した。

ウェディングプランナーだよ？
ブライダルコーディネーターだよ？





「言うなや。広告費用なんぼかかったと思ってんの」
「他に使うとこあるでしょ」

「まずは名前知ってもらわないと仕事はキマセ〜ン」


「仕事依頼バンバンきたら？従業員、二人だよ？先に求人出すべきじゃない？」
「…雇う？女二人いたら、俺取り合ってドロドロ〜って」


「しないから」
「しないか」




電気とエアコンも消した。
帰り支度はお互い素早い。




ビルからジンの家までの間に
私のマンションがある。

だから。送り迎え付きの理由はそれだけで

30手前にしてお互い特定の相手は居ないし
料理なんてしたことがない。
夕飯も一緒の理由は、それだけ。




駐車場まで向かう私の隣
鞄を揺らして電話を耳に当てる


「はいはーい。ん〜？週末……ン〜…あけておく。あーあー、違うって！仕事が忙しいのー」



女の子ともそれなりに楽しんでる…っぽい。



「誰？」
「あ。え、気になる？気になっちゃった？」
「別に。仕事の電話だったら知っておきたいから」

「高校んときの元カノ〜」


って言いながら助手席のドアをあけてくれる




「あ。そーそー、A覚えてる？高校ん時Aに告ったあいつ」


名前を聞いても顔が全く思い出せなかった。



「番号教えてって言うから教えといたぁ」
「は、はあ！？！？」
「結構かっこよくなってんだって！弁護士だよ？弁護士」


弁護士……悪くない…
って違う違う違う！！


「勝手に人の番号教えるなっ！！！！」






恋人未満なのは
ジンが私を女として見ていないから。


だからこそ、友達以上でいられる。
やっぱり相棒。その言葉がぴったりだ。



.

・→←あうんの関係 (JN)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す