なぜなら、僕達は。【bts】

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ハンドメイドって、よく知らねーけど
全部この妊婦さんの手作りらしい。



「すげぇ……手先器用過ぎん？」
「凄いよね。……それに、かわいい」





相変わらず男は後ろでバタバタと
存在自体が騒がしかった。



「育メン講座に行ってきたんだけど、ジミン連れて」
「なんでジミンさん連れてくのよっ！」
「え、いやだって一人だとモジモジしちゃうし、ジミン婚約してるし…」



小さな声でヌナと話す。


「…どれにする」
「…いい」

「なんで。買えよ」
「…いい。似合わない。行こ、」




ヌナは、何も…買わなかった。





ボロい部屋に戻る。

似合わない。
その言葉を痛感しちまう汚ねぇアパート。



「鍋、作るね」



もう二十歳をとっくに過ぎてたのに
俺達は本当の幸せに近づきたくて

だけどそれは物凄く…遠かった。




……遠い。
いや違う。

絶対に掴めない、幸せだ。



「…家族って、どんなだろう」
「…さあ」
「母親って……どんなだろう」


一生知れない。
ヌナと俺には、一生知れない


「赤ちゃん。欲しくなった？」


首を振るヌナ


「そんなんじゃないんだけど…」
「……豆腐もーらいっ、…熱っ…」


「幸せに、なりたいな…って…」



そう言ったヌナの
今日までのヌナの傷を

決して、消えていなかった
まだ続いていたヌナの番を

俺は…





カタンと玄関で物音がした。


「……何か音した？」
「猫かな？白猫が最近よく来るから」
「…俺…ちょっと見てくるわ、」



狭い部屋を歩く。
玄関らしい玄関なんてなくて
ドアの覗き穴に近づいた。


右目を閉じて
左目で穴から外をそっと覗く



「……なっ……………」




全身の血の気がひいていく…

なん…で…




「見えてんだろ〜…………なあ、ユンギ…」




ヌナっ！！
ヌナの座った背中を眺める

突然酸素が薄くなった様に
苦しくて息が………首を締め付ける…




「ヌナ……ヌナ…」
「…ユンギ？」
「……居る」



そう言っただけで
全てを悟ったヌナは

怯えるでもなく
驚くわけでもなく

箸を置いた。




「……なんで、なんでバレたんだよ…」


なんで……！！


「……ヌ…な…？」

立ち上がるヌナが俺の前を抜けて
ドアに手を伸ばす

「辞めろ！！！！…開けんな、開けんなよ！」
「……ユンギ」
「まだ、俺等が居るってバレたわけじゃない！」




「……知ってたよ。最初から」




……え…っ

ヌナはドアを静かに開けた


「……なんで。今きたの…」



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