なぜなら、僕達は。【bts】

・fin. ページ19

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ビルの階段を降りる。
中華は五分くらい歩いたら本格的なのがある。



「あ。ピアス、ちぎれちゃったのね、ブチーって」
「あ、そう！ピアス、またホソクさんに似合うかなあって。作ってしまって」



鞄から取り出したポーチに
大量のピアス……


「…え、どれ？」
「…え、これ。全部です」


えええっ！？


「…こ、これ、全部！？」
「……作り過ぎました。気に入るのを持って帰って下さい」

「全部、僕に作ったの……」
「……はい。……作り過ぎました…」



ぜ、全部…？僕のために！？




「……じゃあ、全部、僕の。全部……もらう」


耳、絶対赤い。

ひとつも。取りこぼしなく、欲しい。もらう。
絶対もらう。全部。




「お金は？こんなに沢山だし、払うね」
「いりません、いりません！プレゼントだから」



ビルから出て、人が行き交う歩道で
ポーチの中の沢山のピアスを見つめて…

こぼれる笑顔をどう処理していいものか…




「じゃー、中華。これから先の中華一生分、全部僕が払います」



「一生分…プロポーズみたい……、ハッ！ごめんなさいっ、変なこと」
「プロ、…プロポ…」
「ご、ごめんなさい、何でもない、ごめ」
「ご、ごめん、ごめん。変なこと言った、ごめん」



慌てて、傘を広げた。



照れながら、入る。
君が僕の傘に。





アンブレラ。

君に降りかかる通り雨も雷雨も
吹き荒れる、嵐も


この僕のボロ傘の中で
守ってあげたい。


疲れたら休める場所が
……僕であって？







「行こっか。デート」

なんて。キザに笑ってみたら

「会いたかったです、ほんとに」




潤んだ目で僕を見上げる。




「会いたかった」そう言って
ホソクという名の傘に、身をゆだねて…くれる君



右側の君を、ドキドキ、感じる。



体の前。左手で傘を支える。
右手は……肩にまわす。

クイッと、濡れない様に引き寄せて。








やっぱり僕は……傘さす派だな。




なぜなら…？

君が濡れるのが嫌だから。




傘の中に、君を捕まえて

くっついていたいから、だよ。













ーピアスーfin
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