なぜなら、僕達は。【bts】

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イベントが終わった次の日の教室は
休みにした。


けど、
変わらずバスに乗り教室に向かう。

ジミンとこれからの話をする約束が
あったから。



さすがにもう、その姿が現れること
期待はしなくなった。



バスに乗ることは
ただ、教室に向かう手段になる。
それだけになる。
半年以上前の自分に戻ったんだ。




窓の外も見ない。



帽子から耳を出してイヤホンをつけて
レッスン動画を、見るだけだ。







「……空いてますか」







その声に、帽子のつばを上げて
ゆっくり顔をあげる。



「………あいて、る」


Aさ…ん…


「ダンスの先生だったの、知らなかったです」
「……あぁ、うん。そう、先生って程でもないけど…先生なん…だよね」


じゃなくって！
そんなのどーでもいーのっ！！




「もう、バスには乗ってこないんだろうなって、思ってた」
「……乗る意味は、なくなりました。お空にお見送りして、色々落ち着いたところです」





笑って言った彼女に、
かける言葉を探しても見つからない。
頭がパンクして、見つからない。




「毎日可愛い娘が会いに来てくれて、幸せだろうな。って何も知らないけど思ってた」



だから、毎日思ってたことを言葉にするしか
出来なかった。……うん。と頷く彼女。


「…体、壊してない？ちゃんと食べてる？」


思ってた。言葉は用意してなかったけど
毎日そう、思ってた。





彼女の目に涙が滲むから
つたない言葉をかける


「幸せな一生だった、って思ってるよ。生きなきゃね、産んでくれたんだもん。笑って生きなきゃ、」


うん。と頷いた彼女は
目尻をふいて「中華食べたい」って笑った。



「行こっか」


って励ましたくて、こぼれた
浅はかな言葉に秒で大後悔。


「……え」

ってほら、豆鉄砲食らったみたいにポカンとしてるから

「うそうそ、嘘、彼氏に食べさせてもらうといいよ」

って焦って付け加えた。






「彼氏居ないですよ」



……へっ！？




「だって！……見たよ？男の人と」
「兄です」
「あ……に…」



兄！！！！！


もう一度、心の中で大歓喜、
あれは、兄だ！！！！！！！




「中華、食べたいなあ…」



彼女が、いたずらっ子みたいに
アイラインが上がった目で僕を見つめる。


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