なぜなら、僕達は。【bts】

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教室に着くと扉が僅かに空いてた。



えっ……ドロ…

慌てて教室のドアをバンッと開ける


「泥棒っ！！」
「わっと……！ビックリしたあ」

「ジ……ミ…。なんだよ…驚かせるなよぉ…」
「こっちのセリフですけど？」


アシスタント講師として来てくれる
ジミンだった。


「はあ…」


大きすぎる溜め息をついて
荷物を置いて、すみっこで座り込む。


はあー…。



「え、暗…。人が熱心に仕事しに来たのに、そんな感じ？」

ウォームアップ用の上着を脱ぎ捨てて、
靴を履き替えるジミン。


……はぁ。


「イベントの打ち合わせに、来たんですけど」
「……はあ。泣きそ、」

「…え」
「背中、ドヨーンって線でてない？」
「……線」


靴をはきかえたジミンは、乱れた髪をブンブン振って、ハッと短く息を吐いた。


「……恋ワズライか、何かですか？」
「ソレ。それが、失恋。に変わった、ついさっきね」

「…バスの子？」

…っ！？

「なんで？何で知ってんの！？」
「なんで、って。ピアスもらったって、嬉しそうに自慢してきたから」


そうだ。
自慢したわけじゃないけど、自慢したわ、


「フラれたんだ？」
「…ちがっ…！…」


背筋を伸ばして否定しかけて
もう一度、しょんぼり背中を丸めた


「そうとも言えるね。……男といた。彼氏居るのか聞いときゃ良かったよ」
「彼氏いただけ？なんだ。まだいけるでしょ」



フフ、って優しい顔して悪い事言うジミンは
婚約してんのに、不定行為なんか平気の野郎だから話になんない





「お前とは違うの。僕は」

隣に座ってきたジミンを冷めた目で見た

「平気で浮気する、最低野郎とは」
「平気じゃないし、浮気じゃない」

「浮気じゃなくて本気〜！とか言わないでね」
「浮わついてるだけなら、とっくに切ってるって」







婚約したことないし
浮気したことないし
ジミンになったわけじゃないから

その秘めた迷いや葛藤はわからない。

ただ世界中の女子が
この浮気野郎を責めても



「で。駅前のイベントの話ですけど」
「…だった、曲は決めたんだよね、あとは振り付けなんだけどー……」


僕はこの男が好き。


「そこは、もっとこう…なんて言うのかな。郡部からソロに」
「テンポが変わるトコね、うん、高校生ダンサーのソロなんかどうかな」



この男とこうして表現を追及してると
煩わしいことは、忘れていられる。



ジミンも、そう？




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