うその帰り道 2《JM》

99 つのるおもい ページ49

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「もう着くっすよ」
「うん。」

「駅に着くとき、あーもう駅だ…って思います？」
「え？」

「あっとゆー間っすよね。好きな人との帰り道」
「ああ…だよ。ほんとに」

「…寂しいって、まだ一緒に居たいって思います？」
「思うよ。めちゃくちゃ思う。泣きそうになる」

「アハッ。明日も逢えるのに、不思議っすよね」
「うん」

……って言って、え？って思う

「でも今日は、帰ってからも連絡取り合えたから、良かったっすね？」
「うん。………って！ジミンから、聞いたの！？」
「聞いて無いっすけど、まあそんなことだろうな〜って」


一瞬抱いた疑問をかき消す様に、顔を見合わせて笑った。


「好きな人と繋がれるのって、どんな気分っすか」
「どんなって……嬉しいよ。凄く嬉しいよ」


携帯を取り出したジョングクくん。携帯を触りながら、私を見て…携帯を見つめた。




「ごめんね、ジョングクくん」
「…………えっ…」


「嘘つかせたから。さっき」
「ああ。その話…なんだ、その話…」
「ごめんね？」

「言わないでって顔に書いてたから。Aさんのせいですよ。…だけど嘘ついたのは俺か…」


にっこり笑ったジョングクくん。


「……俺とAさん…共犯っすよ。共犯」


「ジョングクくん……恐ろしい子」
「Aさんは、悪い人」
「悪い人か……やな響きだね」

「でも、………優しい人です」



携帯を握り直して…ギュッと掴んでポケットにしまった、ジョングクくん。


「ジョングクくんも。優しい子だよ！」

頭をわしゃわしゃ触ると、「辞め…っ、」って顔を腕で隠して、そっぽ向いた。


「ありがとね」
「次は何のありがとうっすか」

「送ってくれて、ありがとう」
「ん…。もう早く入って下さい！ジミニヒョン、連絡待ってますよ。めっちゃ怒ってるかも」

「餃子。受け取って？送ってくれたお礼だよ。好物でしょーっ」
「………まあ…」
「たんと食べなさいっ、ジョングク！」


「Aさん…」

「んー？」





「…………好きです」





「へっ…？」

餃子を顔の横に持ってきて、ニコッと笑った

「餃子。大好物っす！」


ああ…餃子。餃子…


「また明日。学校で」
「またね！ジョングクくんっ」











部屋に戻って携帯を確認すると、家に帰ってきたって報告とご飯を食べた報告がきてた。日付が変わるまで途切れ途切れのラリーが続いて、ジミンからの返事が途絶える。

私も目を瞑った。

目を瞑っても浮かぶ顔は一人だけだった。

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