うその帰り道 2《JM》

94 文明の進化。 ページ44

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「ただいまぁ」

いい匂いがするリビングでオンマと妹がおかえりっ！と声を揃える。手を洗って一目散に部屋に向かう。


「あら…。餃子だ！って喜ぶと思ったのに」
「おねーちゃんのイケメン彼氏、餃子すきかなあ」
「男の子は皆餃子が好きよっ。詰めてあげて」
「おうちにはいつ来るの…？」




部屋のドアをパタンと閉めて、鞄から携帯を取り出す。
部屋の真ん中にある小さな机は散らかってて、鏡とヘアアイロンを腕でどかせて、正座する。



帰りの電車でも、最寄り駅からの距離も。時間が終わった寂しさと、新しいドキドキがやまなかった……。携帯を開くと、そこにある名前を見つめて、胸が締め付けられた。



一旦携帯を机に伏せて…その名前を噛みしめる。


なんて送ろう………。着いたよ、のあとは何か可愛い顔つける？

着いたよ、ジミンは？…………ハテナマークがある方がラリーが続くかな…？


いや違う。今日はありがとう。そうだ、公園楽しかった、そんなのの方が…いいよね？

意を決して、文字を打ち込む事にする。今日…は、ありがとう…っと。絵文字とかいる？


相手に瞬時に届く送信ボタン。人類はとんでもなく便利で優れたツールを発明したもんだ。と、日常の当たり前にすら、文明の進化にすら、感じた事のない感謝を感じるのだから。



恋心ってのは、果てしない。
ぐふふ…と嬉しくなる。早く送信しなきゃ。



…全然返事、来なかったらどうしよう。送信ボタンを眺めながら、ドキドキする体をパタパタと手であおいだ。


……ふう。携帯をまた伏せて深呼吸。よし！送るぞ。


そう思った時、携帯がピコんと通知をお知らせする。
ん？………こんな時に誰だ。














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JIMIN着いた?







ひいぃっ！！！…ドッキン！！！


携帯を机に軽く投げてしまう。


やばい、やばいっ！！！
ジミンから、来た！！！！



もう一度恐る恐る携帯を覗き込む…

ほんとやばい…………色々、落ち着け私。




携帯を握りしめる。ラリーは…ジミンからがスタートだ…………
嫌でも目に入る、ジミンからの文字。ドキンドキン心臓が跳ねてるけど返信、しなきゃ




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