77 満員でんしゃ ページ27
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「離しません!」
「離してくれないと、転ぶから!!」
「転びそうになったら僕が受け止めます!」
「受け止めっ…て、そんなのっ」
出来るわけないじゃんっ!!
「うっ!うわああああああっ!!」
「はっ…!Aさんっ!!!」
足を踏み外したのか、ジョングクくんの早さに足がついていかなかったのか、案の定、最後の五段くらいを残して大きくバランスを崩した。
こけるぅっ!!!!
「ぎやあっ!!!って…」
…………あれっ?
「まじで受け止めたああ!!アハッ、凄くないっすか?」
抱きしめて支えてくれた、ジョングクくん。
す、凄いっていうか……
「Aさん軽いっ、ギュッてしても、小さいし」
何故かすっごく楽しそうなジョングクくんはそのまま私の体をギュッ〜っと抱き締めた。
「余裕。いつでも守れるっすよ!ハハッ、ちっこ〜い」
ジョングクくんがギュウギュウ体を抱き締めてきて、笑うたびにジョングクくんと私の体が動いた…
………ジョングク、くん!?
ジョングクくんの体は思っていたより男の人っぽいって言うか…硬いって言うか…なんて言うか…年下の弟のジョングクくんじゃ、ないみたいだ……
「ジョングクくん…!」
「あ。あーあ、電車行っちゃったっすね…」
次は急に離れるから、体がよたついた、
「ジョングクくん!!」
「なんすか」
「いきなり手、繋がないでよぉっ!」
「いや、おっそいから」
「いきなり抱きしめないでよぉ!」
「そっちがいきなりこけるから」
「じゃあいきなり離れないでよっ!」
「あ。もう一回します?ギュッって」
手を広げるジョングクくん。
「もうっ!」
アハッ、って笑うジョングクくん…
ほんとに、ほんとに恐ろしい子!!
なんだか騒がしい二人で、仲良く次の電車を待った。
「結構混んでるね…」
「嫌っすね…」
電車に乗り込むとほんとに混んでて、結構きつい。隣のおじさんとぶつかって、居心地が悪いし
「Aさん、こっち」
ジョングクくんが私の手をひいた。私の体をドアの方へ導く。
「これで、安心っす」
ドアにもたれかかると、ジョングクくんの体が私の目の前でかぶさるように壁になった…
揺れる人の波から守ってくれてる…
「……狭くないっすか」
「狭いけど、誰にも当たらないから。ありがと!」
「……うん」
そらされた頬が、ほんのり染まる
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あこ(プロフ) - 更新楽しみです。幸せになって欲しい💜でもジョングクくんの気持ちを思うと、とっても切ないっす。後輩グクくんのこの口調本当に好きです! (6月24日 22時) (レス) @page50 id: f9201ba0de (このIDを非表示/違反報告)
ミユ(プロフ) - 最高です〜🥲💓もう毎回この更新がどれほど楽しみか。 (6月24日 17時) (レス) @page46 id: 8a771334e8 (このIDを非表示/違反報告)
ジュジュ(プロフ) - 最高!最高!さいこーーー❤️甘くなってきたー❤️甘くなってきた!最高❤️また焦らされたい気持ちもあるのでもう一度読み返してきます☺️本当にありがとうございます🙏 (6月22日 22時) (レス) id: d11b49f217 (このIDを非表示/違反報告)
myco - 作者様初めまして。ドキドキとキュンキュンと幸せな時間をいただきありがとうございます♡これからも更新楽しみにしてます (6月22日 21時) (レス) @page46 id: a0d3d6e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
BtJumina(プロフ) - なんと幸せをくれるんでしょ❤️作者様永遠に幸せです (6月22日 10時) (レス) @page45 id: 747469af63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2023年6月9日 18時