たった一週間【YG】

10 大人。旅一日目 ページ10

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シャワーを済ませて出てくると
全く態勢を変えずに携帯を触ってる…


ずっと携帯触ってたのか？


………依存性め。




どうせ色白い遊び人と相部屋中だとか友達に報告して、騒いでんだろ。




「出たぞっ！！！！」

「ひッ………！、ビ、心臓止まるかと…思った……」

「出た」

「ねぇ！？いちいち大きな声で報告しないで！」



心臓を押さえて固まった顔が
馬鹿みたいに目を丸くして口が開いてたから
心の中で爆笑だ。

俺の存在にもっと警戒しやがれっての。



「びっくりしたじゃない！！」



お前が俺に全く気付いてねぇからだろうが！！
って噛みついてきたから反論しそうになったけど、辞めた。




俺は、大人だ。






「あ。あのね？調べてたんだけど、このあたりで空きのあるホテル」

「おー」



熱心に携帯触ってたのは
ここから出る為だったらしい。



「あったから。明日の夕方にはここ出る」

「おー」



好きにしろ。



「いつ空くかわからないしね、ここは」

「数日すれば空くだろうけど？」

「数日も勿体ないの。仕事、はかどらない」

「仕事…」

「そっちもこんな大雪の地に来て、独りで何かする為に来たんでしょ？」




銀世界のこの土地で
のんびり静かに…曲作りする、旅。

俺の旅はその為の、七日間。



「まあ、な」




お前はどんな仕事の為に
ここに来たんだよ…？




「明日だな。明日まで」

「私の部屋だけど出てくわ」

「俺の部屋だから出てけ」



って、聞く意味ねーし。

知る意味ねーから。




「……さっさと出てってくれな」

「りょ〜かい」






ソファーでブランケットにくるまって
寝ることにする。

あっちも寝る為、布団に入った。



電気、眩しい…




「電気、消す？」

「真っ暗はやだ。薄くつけてて」

「俺を動かすな」

「じゃあこのままで」



いやそれは眩しすぎるから、無理。

仕方なく体を起こした。





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