たった一週間【YG】

38 観戦。旅二日目 ページ38

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小さなスマホ画面、二人で寄り添いながら眺める


「おっ！ほら、みた？」

「見た、見てる。凄い」



お酒の力なのか、本来の二人の性格なのか、NBAの試合を見ながら盛り上がる



「そんなに詳しくないもん、あなたほど」

「バスケ部のマネージャーだったんだろ？…あっ、おしい、今のパス良かったんだけどなあ…」

「マネージャーしたのは学年一の美少年が居たから」

「糞みたいな不純な動機」

「人間が動く動機なんて、不純なものが多いの」

「で？その美少年と青春した？」

「まあねー、気になる？」

「別に。この試合の方が気になる」





お互いお酒片手に盛り上がる



「うっ………入った！っしゃ！」

「いいオフェンス！！カッコいい！サッカーの場合は片方のチームが攻め続ける時もあるし、片方がボールを回し続けてて……そういう意味ではバスケは間延びするタイミングがないから好きなんだよね」


「わかる。1クォーター10分、常に動いていないといけないルール上の特性もあるからかな」

「見る側からすると常にゲームが動くから、飽きることがないわよね………あっ、あー惜しいぃぃ」

「でもいい動きだった」




女と二人きりで試合を見たのは、はじめてだった。

お酒はみるみるなくなって、ふらふらイイ具合に酔って、もの凄く自然に歯を磨いて、眠りにつく。


よくわからない湯タンポみたいな湯をいれたクッションと、ブランケットを縦に丸めた境界線がベッドに引かれた。




ベッドにだって、職業だって、俺達には越えられない境界線がある。





「入って来ないでね？あー眠い」

「はいよ〜。おやすみ」





背中を向けて目を瞑る。

酒って凄い。なんともなく秒で眠れたから。





だけど朝になると、アルコール抜けてんだろ？

その可愛い寝顔を見るはめになるんだろ？





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