37 乾杯。旅二日目 ページ37
.
部屋にスタスタ戻った、結構まきで。手を握って、引っ張りぎみに。
ゆっくりなんて無理だった。顔だって見れなかった。俺の心の内を見透かしたみたいに、優しく握られた手は、今この瞬間を楽しんでるみたいで、何だか居心地が悪くて、ついつい口が突っ走る
「ランタンつけるから、酒でもあけて、座っとけ。」
「お酒は一緒にあけて、乾杯しようよ？」
「祝える事なんてお前と出会ってから一回もねえから」
「祝いじゃなくても乾杯は乾杯よ」
買ってきたランタンにライターで火を灯す。
「おぉぉぉ！！」
ランタンを机の角に置く。優しいオレンジの明かりは明るすぎないけど、広範囲が照らされて最高だ。
「すっごくいい！最高」
小さめなお酒の瓶を並べて、ソファーに二人で腰掛ける。お酒の瓶をグラスにつぐこともなく、そのまま二人で開けて握った。
「乾杯ね？、乾杯」
「じゃあ…」
そうだな…
「俺達の不幸に乾杯」
「本当に不幸ばっかり」
「どんな素敵な記事にしてくれんのか、楽しみにしてる」
「敵陣へようこそ。仲良くしましょう」
カチンと瓶が合わさると、ランタンの炎が揺れて部屋の中がゆらりと揺れる。
オレンジと影が揺れる顔を見つめる。窓の外の雪が、優しく舞っている背景…それが本当に絵になってて、綺麗だった。
アゴをあげて、瓶に当てた唇。喉に流れるであろうアルコールが、綺麗な首筋をグビグビ…と優しく動かした。
俺も勢い良くグビグビ呑んだ。
早くまわれ。アルコール…
「二本。これ呑んで体を温めて、寝ましょ」
「俺、ソファーで？凍死すんじゃね？」
「ベッドは…駄目だし」
「でも寒い」
「どうしよっか…」
かけ布団、ふかふかのはダブルベッドに一枚。暖房が効かない部屋でブランケット一枚で眠れるわけがない。
「まあ呑め」
「ふふっ、酔わないわよ二本じゃ」
「なんで二本？沢山あんだろ、」
グビグビ呑みながら、さっさと一本目を空ける
「あんまり呑むと危ないじゃない？」
「危なくねえし。俺は酔ってベッドで秒で寝る」
「はい？私は？ソファーで凍死するじゃない」
「お互い酔ってベッドで寝んの」
二本目を喉に流し込む。
「…仕方ないか」
「…仕方ない」
緊張とか、興奮とか、色んな誘惑とかに打ち勝ってベッドで寝なきゃならないからペースを早める。
ソファーで一緒に転がるのとは、ちょっとわけが違うからな…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 735人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
王様じゃんぷ(プロフ) - 凛さん» ジオン仲良くやってるみたいで良かったですね笑。こちらの二人もサクサク進めて参りますφ(..) (2023年5月6日 16時) (
レス) @page22 id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - まさかのパクジオン登場🙈嬉 綺麗で少し強気な女に振り回されるミンユンギまじでまじで最高です (2023年5月5日 0時) (レス) @page18 id: f825413662 (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - ukinさん» ありがとうございます(;o;)全部のお話を早急に完結させたいと思っております！🏃 (2023年5月4日 21時) (レス) @page18 id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
ukin(プロフ) - なんかありそうな予感……!!ユンギメインのお話待ってました〜七日間シリーズ大好きです😍 (2023年5月4日 1時) (レス) @page14 id: 7c7d745906 (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - BtJuminaさん» わーありがとうございます！七日間の旅へ、どうぞ〜💗 (2023年4月30日 10時) (レス) id: fe65893bde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：王様じゃんぷ
| 作成日時：2023年4月28日 20時
