たった一週間【YG】

33 俺様。旅二日目 ページ33

.




懐中電灯をテーブルに置いて、溜め息をついて隣に座った。

疲れる…と呟く声に、同感ってこっちだって思ってるわよ…



だけど、とにかく今は



「今、私を守ってくれるのは貴方だけ」



こんな感じでいい？アイドル様。
そして、もう一人のミンA。


「まずは仲良くこの夜を越えるしか、ねえんだよ」



頭を抱えながら背もたれに体重をかけた。




かけた言葉は正解だったでしょ？




「…で、どうする？記者さん」

「明かりは今夜は期待できなさそう」



どうする？



そうね、頭を優しく撫でられながら、ダブルベッドに転がり込めば？

きっと大きな仕事になる、体は減るもんじゃない、捧げちゃいなさい。


いや、仕事人間の前に私にも、女のプライドってのがあるでしょ？







暗がりの中、隣に座る全身を上から下まで見つめた。



大きすぎない身体、綺麗な肌、主張しすぎない顔立ち、ささいな仕草…。受け入れる自分は安易に想像がついた。


タイプの男でしょ、案外似合ってるよ。

は？タイプなわけない。いいのは外見だけね

それ、私が男に言われる言葉。






「なに」

「えっ、いや、なにも」

「なんだよ」

「なにもないよ」

「ジロジロ見てた」

「見えないよ、暗いから」

「あ。今夜俺にどうこうされんのかなーって想像した？」





ふっと笑って、もたれた自分の頭の後ろに腕を回して組みながら、やることね〜しなあ…なんて呟く。




一体事務所は私達の様な記者から、どれ程の大金を積んでこのアイドル様方の御法度を買い込んでコトを収めたんだろうと、想った。


そう思うのは職業柄、仕方ないこと。






ミンユンギ。


俺様ユンギ様、女たらしの…アイドル様。





.

34 行こ。旅二日目→←32 ミン。旅二日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す