たった一週間【YG】

28 事故。旅二日目 ページ28

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「イッテ！！！」


誰だよ！！！キャリーあけたまま足元で広げてんの！！！




小部屋は自分で撒いたトラップだらけで、入って早々に足元にあるキャリーで小指を強打する




俺の馬鹿！
くぅぅ…いってぇ〜…




そぉ〜っと足を前に出して物が無いか確かめながら進む。




停電になった時を想定しなかったお前のミスだろ？

いや誰が停電まで予測して過ごすかって！

お前はツメが甘いんだよ昔から。モタモタしてっと10秒経つぞ




急げ俺！！！




もう一人の俺が急かすから
机に手をバタバタ当てて引き出しを開ける





確かこの中に懐中電灯とホテルのちらしが入ってたんだ…



………あったあった！！



急いでスイッチをオンにすると、ピカンと照らされる



………っしゃあ！！
って、光しょぼいなあ！！全然明るくねーし！！





まあ無いより相当マシ。そう言い聞かせて足元を照らす。

開いたキャリー。
またいでヒョイと部屋を出ようとして…



あっ…！
そうそう、アロマキャンドル持ってきてんじゃん！



ナイス！俺！！！

やるな、ミンユンギ。

まあな、停電予測したんだよ、




ふっと口角が上がってアロマキャンドルをガサゴソ探し当てる。

それを握ってキッチンに急ぐ





「…懐中電灯ゲット〜」




キッチンからソファーを照らすと
涙をいっぱいに溜めた目が唇をギュッと噛んで座ってる



「…待て、泣くな！！」

「ぅう……まだ泣いてない…」



急いでガスコンロの火をつけて、アロマキャンドルを火に近づける



「見ろ、キャンドル、今そっちに置くから」




キャンドルの火がそっと辺りを照らした。

もっと急いで鍋に水をためて
コンロに置いてっと！

キャンドルと懐中電灯、両手に華だ！！



「ほら、」



懐中電灯とアロマキャンドルを見せつけながらソファーに近づく



…これでちょっとは明るいだろ？

目をウルウル潤ませてニッコリ笑った。




「15秒」






「…っ！！」

「遅すぎ」

「9秒ぐらいで戻ったはず」

「ゆっくり数えて15秒」




机にアロマキャンドルと懐中電灯を置いて
ソファーに座ろうとしたら足元で団子になったブランケットに、けつまづく




「ぁうわっ！！」

「ギャッ！！」

「っぶねぇ〜…」



暗いって、こわい。


だけど、
………どうしてこうな…った？




「………っ、はっ、離れ」



つまづいた先のソファー
つまづいた先のふんわり感

重なって倒した体…

真っ赤になった目の前の顔……




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