ご自宅までおくりますよ！！

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到着して散らかった車からおりると
本格的に夏らしくなり、真っ暗な夜も蒸し暑い。


イテテ‥頭がズキンと痛むから着いて早々に薬を飲む。

ああー頭痛いっ！！寝不足かな……
カッコいい羽生くんを見て元気になるんだっ！


あ……
ダメダメダメっ。羽生くんはもう諦めたんだ！！
気を抜くと、すーぐ羽生くんの事考えちゃう。


こめかみを押さえる。いたぁーい……
風邪かなー……ほんと辛い。




“失恋、頭痛”で検索してみよ。とか思いながら少し座って休む。

ちょいと休もう。まあこんくらい気合いでなんとでもなるけどな！！って思いながら座ってるとすぐに睡魔に襲われた。




“……ちゃん、みいちゃん”

夢の中で私を誰かが呼んでる、ーー

……くん、はにゅーくん！！！

懐かしい教室……寒い。寒くて寒くて苦手だなあ……
“ねぇ、みいちゃん、みいちゃん”

だから私は……寒いのは嫌いだよ……
もう会えなくなる……？

“オリンピックで金メダルとるから！そしたら……大人になったら……また……”

ガクッと氷に足元をとられ崩れる感覚と同時にビクッと目が覚める……




“だ、大丈夫かい？”

ぼんやり……してる。

「調子悪いんかー？｣

｢ぅ……っｲﾃﾃﾃ、頭痛い…って私寝ちゃってました……か……｣

｢顔色悪いよぉ？大丈夫かー？｣



｢大丈夫大丈夫ですっ、うん、ほんと｣

｢あっちで休憩してきなあ。無理はいけんよ｣

警備員さんは心配そうに私を見ながら足早に去っていく。

何だろ。懐かしいような、胸が痛むような……夢を見た。



あああ頭イッタ。なんか、やけに寒いし……


腕時計を確認する。
羽生くんが来る時間じゃん。
そう思った瞬間


『おはようございまーす‥お疲れ様でーす、』

冷たい王子様、おはようございます。今日もカッコよくてご馳走様です。と心で唱える。

みい｢おはようございまーす、｣

ペコリ頭を下げる。頭下げるとガンガン痛いな。

『ざいまーす‥』

ペコペコしながら目も合わさず目の前を通りすぎる羽生くん。

頭も痛いのに心臓まで痛い。
かっこいいし…………！！

諦めても、気持ちに蓋をして閉じ込めても羽生くんのかっこよさは変わらないからややこしい。



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