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『なかなか滑れるじゃん』
「まあ経験者ですからね〜」
『言うね〜3ヶ月で辞めたくせに』
いつか話したな、って思い出す。
私がスケートを習ってた事。羽生くんは私の事は全く覚えてない事。私も羽生くんを覚えてないと嘘をついた事……
ぐるっと一周ってなかなか長い。
少し後ろにいた羽生くんは私と話してたら自然と隣にきていて、並んで滑ってる。
「羽生くん、スピンしてみせてよ!」
『え、いきなりだな』
「私ね、羽生くんのステップもジャンプも好きだけどスピンが一番好きぃ〜」
『そうなの、じゃ軽くね、軽くだよ?』
「やった!」
止まって見入る。こんな近くで見れるなんて……と息をのむ。
羽生くんのスピンは……私が羽生くんを好きだと言う事が申し訳なるくらい、とても美しくて、自分が少し惨めになる。
それくらい……特別で。
胸が締め付けられた。
こんな神様が与えた特別な人……好きになっていいんだろうか。私の目の前の羽生くんがいつにも増して尊くて、尊すぎて。
軽くスピンを終えると、テヘッと首をかしげて、戻ってきて
『どうでしょうか?』
なんて笑う
「羽生くんのスピンは芸術だよね。私、すっごく吸い込まれそうになるんだ〜」
『吸い込まれそ?』
「うん、羽生くんの世界観に吸い込まれて抜け出せなくなる感じ?」
『ふふ、嬉しい』
「スケートしてるはにゅーくん、かっこいいよ!」
何万回も何万人にも言われてるだろうけど!!
それでも、羽生くんがどんなに言われ慣れた言葉でも、私は私のクチから羽生くんに伝えたいんだ!
羽生くんが、その言葉で、少しでも自分に自信がなくなっちゃった時に前を向けたらいいな!って
そんなおこがましい事を思いつつ全力で伝えたい。
はにゅーくん、世界一だよ!!!!
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王様じゃんぷ(プロフ) - だんごさん» ありがとうございます(ToT)自己満足100%で楽しく書いたので、楽しいって言って貰えて嬉しいです。感謝:) (2021年10月21日 10時) (レス) id: 8d4c9c3192 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。これからの展開どうなるのんかぁー?更新待ってます! (2021年10月20日 14時) (レス) @page41 id: 69db7dc37a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2021年5月7日 22時