初恋 ページ4
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私が初めてここに来た日。初出勤日。
関係者入り口付近で羽生くんを見たときは驚いた。
やっば！！本物！！！！
と同時に。
淡い小学生の頃の記憶が戻ってきた。
大嫌いなスケート教室。教室の場所はここだった。
当時とは少し違う造りになってる所はあるけど。
私は運動神経も平凡だった。
氷は痛くて、転んで痛くなるのが怖くて、怖がっているから転んで、やっぱり痛くて、悪循環な練習しかできなかった。
うまい子には沢山友達ができる。
下手な私にはなかなか友達も出来なかった。
例えばあの子みたいに。上手な男の子。そうゆう子には皆が話かけてるんだよなあ。羨ましいなあ。
気付いたらずっと見つめてしまってた。
そんな時、その子がスーっと滑ってきて、目の前で氷を鳴らしながら止まると同時に…
｢なに？！｣
いや、なにって、そっちがいきなり目の前に来たんぢゃん！！！
そう言って、いきなり私の手をひいて、
ねえねえ！見ててよ、いくよ、こうだよ！こうして、こうして、、
ジャンプ！
ほらね？怖くないよ！！見てた？
首をかしげながら、あぶねー転ぶとこだった！へへ！と笑う。
怖がってる私を見つけては、うまくなる方法を、自分なりのアドバイスを、スケートの楽しさを、教えてくれた。
正直スケートは楽しくなかったけど。
向いてないんだよ、寒いとか痛いとか。(要するに根気がない)
でもあの男の子の、
誰よりも“スケート楽しいよ！！”って、全身から叫んでる姿に、私はいつも目が離せなかった。
誰よりも前向きで。
誰よりも美しかった。
私は自分で滑るのは嫌いだけど
その子が滑っているのを見るのは、大好きだった。
そこから親の仕事の都合で隣の県に引っ越したと同時にスケート教室も辞めることになった。
大嫌いなスケート教室にいる大好きな子にも会えなくなった。
親が先生に最後の挨拶をしている隣で、お母さんの影に隠れながらリンクの上の最後の姿を見つめてた。
やっぱり上手。目が離せなくなる。
やっぱり最後の日もスケートが大好きだよ！って叫んでいるようにキラキラしてた。
ま、その頃から一ミリも
羽生くんの視界に私は入ってなかったんだ。
いや視界には入ってた！
うん。視界に入ってるだけの、何の意味も持たない無機質な存在だった
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王様じゃんぷ(プロフ) - だんごさん» ありがとうございます(ToT)自己満足100％で楽しく書いたので、楽しいって言って貰えて嬉しいです。感謝:) (2021年10月21日 10時) (
レス) id: 8d4c9c3192 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。これからの展開どうなるのんかぁー?更新待ってます! (2021年10月20日 14時) (レス) @page41 id: 69db7dc37a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：王様じゃんぷ | 作成日時：2021年5月7日 22時
