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「 Aちゃん？」
いつの間にか 眠ってしまっていた。
大好きな人の声が聞こえた。
目を開けて起き上がると、安田くんの姿が見えた。
寝ている姿を見られる事にも
もう慣れてしまった。
「 ごめん、寝ちゃってた」
笑いながら 安田くんの方を見ると
なぜか悲しそうな顔をしていた。
「 どうしたの？」
そう言うと 安田くんは真剣な顔つきになって
こう言った。
「 もうここには来れへん 」
「え？」
「 ... 大事な人がおってさ。
その人の事考えて、決めたんや 」
安田くんは 一言、 ごめん、と呟いて
病室を出て行った。
その姿はどこか 泣いているように見えて
追いかけようと 病室を出たけれど
もう安田くんの姿はなかった。
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作者名：ばにら | 作成日時：2017年6月18日 18時
