この手、この足【８】 (ページ42)

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錦戸side ページ42

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俺がﾊﾊｯて笑ったのは、白い息となって冷えきった空気に消えていった。

渋「何笑ってんねん」

錦「なんでもない」

渋「気持ち悪いなぁ」

錦「気持ち悪くたってええし」

渋「熱でもあるんちゃう」ﾊﾊｯ

錦「失礼なおっさんやな」ｸｽｯ

ｶﾞﾀﾝｯ

丸「風邪ひきますよ～」ﾌﾜｯ

寝癖でおでこ全開のマルが俺らのパーカーを持ってきてそっとかけてくれた。

渋「お前起きてたん？」

丸「今目が覚めたんです」

錦「なぁマル、みて」ﾂﾝﾂﾝ

丸「わお！雪や～
コンコンっ♪」ｳﾌｯ

渋「なんやそれ」ｸｽｯ

村「お前らはよねぇや～」

錦「うわ、起きてたん？」

村「うわっていうなやアホ」

丸「しぃー！皆起きてまうから！
ほら、寝ましょ～」

少し4人で話したけどやっぱ睡魔には勝てなくて、また支えられながら布団に戻った。

"おやすみ"って言えば"おやすみ"って返ってきて、ｸｽｯと笑えば誰かもｸｽｯと笑う。
夜の静寂はすぐにやってきて、たまに俺らの話し声に邪魔をされながらようやくこの家全体を包み込んだ。

今日の日よさようなら。
また次目を覚ました時にはきっと雪はないだろう。
でも、寂しくはない。うん。きっと。
雪が溶けたらまた素敵な一日がくる。
雪の下で春を待つ花のように、素敵な一日が。