この手、この足【８】 (ページ15)

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安田side ページ15

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今日も亮とお風呂入ろっかな～。

あ、別にそういう趣味とかちゃうで？
ただ、あまり言わんけど心配やから。
なにもしてあげられへん自分が悔しいから、せめてって。

お節介やんな。わかってる。
でも、誰かの役に立ちたくて、誰かの笑顔が増えたらええなって思って、手話の勉強をした。

それと同じでその対象とする人が1人になっただけ。
亮っていう同い年の仲間になっただけ。

安「亮」

錦「ん？」

安「今日のお風呂さ」

錦「あ、もしかして、章ちゃん1人で入れへんのやろ～笑」

こうやってバカにしてくるけど
いやなんて思わんし、そう思われてでもええから力になりたい。

安「亮が1人で入るのさみしそうやからやし！」

亮は1人では入れません。
1人では髪を洗うことも出来ないし、体にお湯をかけることすらできない。

そんな彼を僕等は受け入れてる。
むしろ、そんな彼を必要としてる。

もしもこれが亮ではなく、僕にとって赤の他人やったら？
ここまで深く考えないかもしれない。

でも、力にはなりたいって思う。

1人でもそう思える素敵な人が、俺らのファンにいてくれたらいいな。