英斗総合病院。１８

☆ ページ47

あなたside




村「ゆっくり吸ってー…吐いてー…

そう、上手や。」



小さい頃、吸入が嫌でうまくできなくて…


そんな時はいつも村上先生が
こうやって呼吸の誘導してくれてたっけ…。


最後まで吸入を終えると毎回、
「よっしゃ！よう頑張った！」って
笑って頭を撫でてくれて…


それをしてほしくて、頑張ってたな…。



村「よしよし、だいぶ落ち着いてきたな。

マスク自分で持てるか？」


「……(涙)」ｺｸﾝ



そんなことを考えてるうちに
吸入のおかげで呼吸が楽になってきて。


村上先生の言葉にも反応できるくらいまで
苦しいのが落ち着いてきた。



村「もう少しそのままマスクあてててな。

ちょっと胸の音聴かせてもらうで。」



服のボタンを外されて、
聴診器を胸にあてられる。


聴診器で音を聞いてる村上先生は
厳しい表情で…


そんなに悪いのかな…？って不安になる。


吸入しながらじっと先生の顔を見てたら、
それに気付いた村上先生が



村「何見てんねん(笑)」



って安心する笑顔で笑ってくれた。




村「お、もう吸入終わるなぁ。

どや？だいぶ楽なったやろ。」


「うん…」



まだ少し苦しいけど、
咳は治まったし呼吸もしやくすなった。



村「大事にならんでよかったわ…」



はぁーって大きく息を吐く先生。


…先生も焦ってたんだ……。



「……ごめんなさい…(涙)」


村「ほんまやで。

久々に来て、びっくりさせんなや〜。」



言葉はキツい感じだけど、表情は優しい。



村「さて。

ほないつから我慢してたんか

聞かせてもらうかな。」


「うっ…;;」


村「まぁーAのことやから

かなり前から危険やなって気付いてたけど、

病院行きたないし、友達と遊びたいしって

体調悪いの我慢して

病院行くの後回しにしてたんやろなぁ。」


「……っ…;;」


村「ほんで…

ほんまにヤバくなってきたから

慌てて病院来たんやけど

間に合わんくて受付のところで

倒れてもうたーって感じか？」


「…っ…その通りです…」



先生の言うことは全部図星すぎて
何も言えない。



村「ほんまにお前は…

何で"ちょっとヤバいかも"

って思ったときに

早めに病院来ーへんねん。

ギリアウトやっちゅーねん(笑)」



ぴんっておでこを軽くデコピンされた。



「……ごめんなさい…(涙)」



今回はさすがに私も反省した。


だってこんなに悪化するなんて
思ってなかったんだもん…(涙)

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