英斗総合病院。１８

☆カルテ172〜経口負荷試験 ページ19

英斗総合病院：小児科
担当：錦戸Dr.
小学生設定

☆佳那さんリクです。


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錦戸side




錦「Aちゃん、こんにちは〜^^」


「…っ…こん…ちゎ…っ…」


錦「体調はどう？大丈夫？」


「…っ…」ｺｸﾝ



数日前、家族との外食中に
アナフィラキシーショックを起こして
救急に搬送されてきたAちゃん。


状態が安定してきたから、
小児病棟に転棟してきたんやけど…


人見知りなんか、
まだ心を開いてもらえてなくて。



錦「ちよっと診察してもええかな？」


「…っ…」


錦「怖いことせーへんよ^^

聴診器でもしもしと、喉だけ診させて？」


「…っ…」ｺｸﾝ


錦「いい？ほなお口あーん^^」



運ばれてきた当時は、
アレルギー反応で喉が腫れてもうて
呼吸すらままならへん状態やった。


けど今はそれも改善されて…



錦「はーい、ありがとう。

次は胸の音聴かせてな〜」


看護師「ちょっとパジャマ捲るよ〜」


「(ﾋﾞｸｯ)んっ…ゃ…っ…(涙)」


錦「大丈夫、大丈夫…」



全身に出てた蕁麻疹もほとんど消えたな。


経過としては順調や。



錦「はい、おしまい^^

ごめんな〜嫌やったな〜？」


「…っ…(涙)」


錦「お利口さんに頑張れました(撫

はい、ご褒美^^」



白衣のポケットの中には
折り紙で作った動物さんが
たくさん入っとんねん。



「おさかなさん…」


錦「おっ、正解！ピンクのお魚さんやで^^」


「ありがと…^^」


錦「どういたしまして^^

そしたら、また来るな？(撫」



初めてAちゃんの笑顔が見れたな…。


少しずつ慣れてくれたらええんやけどな。





Aちゃんの経過は順調やねんけど。


肝心のアレルゲン物質が
まだ特定できてないねん…。


血液検査で絞れたっちゃ絞れたんやけど…


何をどのくらい食べたら症状が出るのか…
詳しいところまではまだ分かってない。


Aちゃんの身体の状態が
完全に落ち着いたら、
"経口負荷試験"っていうのを
やってみようと思ってる。


経口負荷試験っていうのは、
アレルギーの原因である食べ物を
少しずつ食べてもらって…
何に、どのくらいで
アレルギー反応が出るのか調べる検査。


また苦しくなるかもしれへん物を
食べなあかんから…
Aちゃんには頑張ってもらわな
あかんねんけど…


けど、それがアレルゲンを特定するのに
一番確実な方法やねん。

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