8人目の彼女は性別迷子② (ページ34)

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テレビページ34

安田side

今日は2時から仕事。
とりあえずご飯でも作ろかなと思って、なんとなしテレビをつけたら、さつきが出てた。

「あ、さつき」

キッチンに立つものの耳はテレビの音に集中してる。
チラッとテレビを見て、今回もさつきは中性的な格好してんなぁなんて視線を手元に戻して思う。
テレビの中で話をしてるさつきの声を聞きながら思い出す。

レコーディングとかメンバーしかおらんときのさつきは、どっちかっていうと女子よりの格好。
仕事はもちろん男子。
そして、オフのときメンバーと遊ぶってなったときも男子の格好。
プライベートくらい女子の格好すればいいのにって内心ではめっちゃ思ってる。
でも、それはさつきのエイターに対しての配慮やってことわかってるから言わんねん。
でもな、「がっつり女子の格好はせんの？」って聞いたことはあるんや。実は。
したら、『するで。地元の友達と会うときと、実家に帰るときと、1人で買い物するときと…デートの時♡』って返ってきた。
デートってのはあるわけないから何もつっこまんかったけど、ちょっと寂しかってんな。オレらの前でもがっつり女子の格好したらええのにって。
さつきは、いつも周りのことばっかで自分のことは常に後回し。

「そのままのさつきが出せる場所が少ないんよな…」

そんなこと思ってると、さつきの家紹介が始まってた。
ピンポーンって鳴って、そのままやりとりして撮りなおさんってのがさつきらしくて笑う。

「…ん？まって。今 “俺” って言ったな？」

思わずテレビの前へ。
テレビの中のさつきは、そのままリビング紹介してる。

「え、来たん誰よ誰？！」

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ガチャガチャ

「うーっす…って何撮ってんの？」

『あ、メレンゲのやつ』

「え、俺いててええん？」

『いんちゃう？とりあえず自己紹介しとく？』

カメラを声の主の方へ。

「あ、えーっと、関ジャニ∞の渋谷すばるです」

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「しぶやんか！なんやびっくりした…」

思わず、はぁ…とため息してキッチンに戻った。