1年5組 ページ29
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「今日から俺が迎えに来るな!」
「待ってるわ!」
中学校は小学校と反対方向なので、今までと違って私の家がおくらの行き道と重なる。
更には家から歩いて30分はかかる距離にあって、これからはいつもより早起きしなければならない。
「私、朝弱いから寝てたらピンポン連打してな」
「任せといて笑笑」
学ランを着て学校指定のカバンを背負ったおくらは、いつの間にか私より背が高い。
初めてあった時から6年も経ったなんて時間の流れが驚くくらい早く感じて、なんだか不思議な気分だった。
「え!!!!」
「なにい、急に。びっくりするわぁ!」
「ピアス開けたん!!」
「あ!!そうやねん!!!」
お母さんとの一連の流れを説明しているのに、おくらは聞いているのかいないのか、私の右の耳のピアスホールをずっと親指と人差し指でグリグリ押し潰している。
「なあ聞いてる?」
「おん、聞いてる聞いてる。てか痛ないん?」
「痛ないよ」
「こんなに俺に押し潰されてんのに?」
「痛ないってば笑笑」
グリグリと押したときの皮膚のコリコリとした感触にハマったのか、学校に着くまでずっとグリグリ私の耳たぶを押し潰す。
「あ!俺、ジャニーズの仕事ある日は迎えに行かれへんから55分なってもピンポンならんかったら先行っといてな」
「りょーかいー」
中学校に入って体育館に足を踏み入れると、もう先に来ていた祐介と海ちゃんがいて、2人の後に並んで座った。
「おはよー!」
「おはよ!」
「え!海ちゃん髪切ってるやん!!俺知らんかったぁ!!」
「春休み切ってんなぁ♡めっちゃ似合ってる」
「Aが彼氏面せんといて!祐介も彼氏の俺より先に見んといて!!」
「でも大倉春休み会われへんかったんやろ笑」
4人でいつも通りわちゃわちゃしてると入学式がはじまった。
横のおくらは起立している最中もずっと私の耳たぶを押し潰してきて、なんだかそれがマッサージみたいに気持ちよくなってきて、コクリコクリと頭が揺れた。
「もう終わったで爆笑」
ハッと目を開けると、みんながぞろぞろと体育館から出て行ってて、3人が私を見て笑っている。
「よう立ったままで寝れんなあ爆笑」
「おくらが耳マッサージしてくるからやん!」
笑いながら4人揃って体育館を出た。
出口で先生がクラス表を配っていて、全員でお互いの名前を探す。
「俺、海と一緒や!」
「ほんまや!Aと大倉くんは?」
「あ!俺らは5組やわ!」
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時