ダンボール ページ18
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月日はすぎて、新年。
家族で初詣を済ませた後親戚が遊びに来てたけど、同じ年の子がおらんくてつまらない。
ぼけーっとテレビを見ながら寒さに肩を震わせると、お母さんが2階から大声を出した。
｢忠義〜！ちょっと灯油買ってきて！｣
これを断るとお年玉を減額されることを知っている俺は、渋々重い腰をあげる。
｢はい、お金。重いけどお願いやで。｣
お札をポケットの深いところに入れてポリタンクと一緒に家を出ると、雪がしんしんと降っていた。
俺は傘を指して、できるだけ近くのガソリンスタンドに向かった。
｢うわ、やば｣
思わず出てしまった声に焦って口に蓋をするように唇を噛んだ。
50メートルほど先で、人が傘をさしたままダンボールの中に顔を突っ込んでる。
背丈も体格もわからないけれど、夜中にあんな所で座っているなんて普通の人じゃない。
俺はできるだけそっちを見ないようにまっすぐ歩いた。
｢〜〜？〜、〜〜？｣
その人は1人で喋っていて、俺は肌がぞわぞわするのを擦りながら横を通り過ぎようとした。
｢いつからここにおるん？｣
でも驚いたことに、そっちから聞こえたのは聞きなれた女の子の声。
｢、A？｣
｢あ、おくら！あけましておめでとう〜！｣
名前をよぶとやっぱりAで、低く屈んだまま傘の中から顔を出して新年のご挨拶。
｢いや、あけましておめでとうやけど、何してんの？こんな寒いのに｣
｢違うねんあのn｢にゃ｣｣
ダンボールの中から聞こえたのはか細い鳴き声。
その小さな返答に、Aは脇に抱えた袋から食パンを1枚差し出した。
｢ここに捨てられててん｣
｢猫？｣
｢うん、｣
近づくと見えたのは、真っ白な小さい子猫で、毛並みも綺麗に揃ってるけど、中の紙切れには''拾ってください''の文字。
そっと手を差し出すと、食パンを食べるのをやめてすりすりと頬を俺の手の甲に滑らす。
｢人懐っこいなぁ｣
｢かわいいやろ？でも可哀想。｣
Aは黒い瞳でじっと子猫を見つめる。
何かを考えて頭の中で整理している時の顔。
その目を見ると俺はいつも時間が止まったみたいに感じるけど、Aはゆっくりゆっくり白い塊を撫でてダンボールをそっと持ち上げた。
｢うちに入れるわ｣
｢え、大丈夫なん？｣
｢大丈夫じゃないけど、ここに置いていく方がもっと大丈夫じゃないもん｣
力強くそう言うと、おくらも来る？と言いながらAは子猫が驚かないようにそっと歩き出した。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ！！！IDでわかるんやからね！私も好き！！！ (2018年12月17日 8時) (
レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき！！ (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね！嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです！！！住野よるさん私も大好きです！！！これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん！コメントありがとうございます！住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです！あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです！ (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じょび | 作成日時：2018年4月8日 1時
