大将 ページ16
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土曜日だからゆっくり寝ようと思ったのに、セミの鳴き声がうるさすぎてゆっくり体を起こした。
[ピンポーン]
突然のインターホンに窓から顔を出すと、そこに居たのは麦わら帽子に虫取り網と虫カゴを持ったA。
「あ、おくらー!あそぼー!」
「今行くから待ってて!」
まだまだ寝ぼけ眼でパジャマだったけど、せっかくの土曜日だから遊びに行くのもありだと思って急いで支度をして階段を駆け下りた。
「おはよ!」
「おはよ〜!」
「今日は何するん?」
「見たらわかるやん!セミ取り!!」
「俺虫苦手!」
「大丈夫やって〜!」
もう公園に祐介と海ちゃんおるからって俺の手を引っ張って連れていこうとしてくる。
真っ白なTシャツに短パンと麦わら帽子。
おまけに虫カゴに虫取り網なんて、元祖ガキ大将すぎて笑ってしまう。
そうこうしてるうちに公園につくと、祐介もAとほとんど同じ格好で、隣に立ってる海ちゃんは苦笑い。
「お、忠義おはよ!」
「祐介〜、俺虫苦手やって〜」
「大倉くん、私も虫苦手。」
「「なんでや!夏の風物詩やん!」」
海ちゃんと虫が苦手なもの同士、夏の風物詩とか訳分からんこと言いながら林の中に入っていった2人を目で追った。
「アブラゼミや〜!!」
「俺クマゼミ〜!!!」
2人は早速捕まえたセミを虫カゴに入れて眺めてる。
「元気やな〜2人とも」
「てかこういうのって俺とA逆じゃない?」
「確かに笑笑」
海ちゃんは日焼けしてない白い手を叩いて笑う。
例のガキ大将2人は、着々と虫カゴのセミを増やしながら走り回っていた。
いつもは俺とA、祐介と海ちゃんって感じやのに、入れ替わった違和感に少し心がムズムズしたけど、涼しい風が吹くとそんなことも吹き飛んだ。
「お腹減った!!!!!!!」
虫取りをやめてみんなで四つ葉のクローバーを探していたのに、うつ伏せに寝転んでいたAが急に仰向けになって叫んだ。
朝から遊んでいたのにもう時計の針は真上を指していて、お腹が減るのも無理はない。
「そろそろ一旦家戻ろか!」
祐介が立ち上がって、膝についた砂を払った。
結局四つ葉のクローバーはひとつも見つからなくて、やっぱりないもんやな〜なんて言い合いながら俺たちも立ち上がった。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時