大倉くんと女の子【緑】

暗記力 ページ43

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｢みんなめっちゃ久しぶりや〜ん！私国語全然わからんやばい、まず国語からちゃうん？｣

｢そうやで！大倉教えたったんちゃうん？｣

｢いや教えたは教えたけど主人公の気持ちはって聞かれて主人公にしかわからんって答えんねんで？笑｣

｢ヤバすぎやろ爆笑｣

｢いやだってしょうみわからんやん！笑｣

｢Aちゃん他のは大丈夫なん？｣

｢いけるいける〜｣




この一週間が無かったことみたいになってて、Aは相変わらずみんなの輪の中心だった。


教室の前を通り過ぎた、怪我をした女子とバッチリ目が合った瞬間に顔の筋肉の力が抜ける。


俺の無表情に驚いたのか、ビクッと肩を震わせると小走りで目の前から消えた。



｢よっしゃテストはじめんぞ〜｣



その声にみんなが出席番号順に着席する。


｢今日帰ったら録画しといたBリーグ見んねん｣

｢Bリーグ？｣

｢バスケの国内戦みたいなもんやで、頑張ろ｣

｢AはBリーグの為に、俺は昼飯のために｣

｢暢気かよ｣

｢おい、お前らなに喋っとんねん｣

｢｢すいませ〜ん｣｣




チャイムがなって解答用紙を捲る音が教室を包んだ。

だいたい全部解き終わって隣を見ると、Aは頭を抱えている。


しばらくしてそのまま解答用紙を裏返して突っ伏した。

チラリと見えた感じでは、記号と漢字と文法以外やってないみたい。



｢そこまで！！｣

｢後ろのやつ集めてきてくれるか〜｣



先生が枚数を確認して、教室から出ていくと、ひとまずみんなの緊張がほぐれた。


｢簡単やったな〜｣

｢は？何もわからんかった、漢字だけや｣

｢次社会やで｣

｢社会は完璧。｣

｢ほんま？笑｣

｢いや結果見といて、マジで笑｣








｢な？言うたやろ？｣


テスト期間が終わって帰ってきたAの社会の答案用紙には96点の文字。

いやその前に、その後に隠した答案用紙、、。



｢いや国語21点て、、、、笑｣

｢勝手に見やんといてや！笑｣

｢俺国語87点｣

｢は？天才か｣



Aは社会と数学が高得点で英語と理科は平均以上。

なのに国語はびっくりするくらい悪い。

俺も心配してた割に結果はそこそこ良くて、安心して答案用紙をカバンに入れた。



｢社会すごいな、めっちゃ勉強してるやん｣

｢そんなやで？3回読んだだけ。｣

｢は？｣

｢え？｣

｢それだけ？｣

｢うん｣

｢暗記力ヤバすぎやろ、｣









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