海って ページ11
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今日から給食が始まった。
メニューはかやくうどんと原料パンと春野菜のサラダ、牛乳。
給食の麺類は美味しいから、児童から大人気。
俺も今日の給食は楽しみにしてたけど理由はメニューだけじゃなくて、Aと一緒に食べる初めての給食やから。
今日はAが給食当番やから、隣の席の俺がAの給食を取りに行く。
自分のぶんも取りに行って席についたらAも帰ってきてエプロンを脱いだ。
｢おくらと一緒に給食たべんの初めてや〜！｣
｢ほんまやな！｣
日直が前に立って号令する。
みんなで手を合わせていただきますってしてから、俺はうどんを一口すすった。
｢おいし〜！｣
牛乳のキャップを開けようとすると、Aが俺の服の裾を引っ張る。
｢ん？｣
｢しいたけ、食べて？｣
｢いいよ！笑｣
かやくうどんにはしいたけが入っていて、Aは食べれなかったみたい。
俺の家で筑前煮を食べた時みたいに、俺の器にしいたけを入れると、安心した顔でうどんを口に運ぶ。
｢ほんまや〜！めっちゃおいし〜！｣
やっぱりめっちゃ美味しそうな顔で食べるA。
それに、前は気づかなかったけどめちゃくちゃ箸の持ち方が綺麗。
一緒に食べる給食はいつもより何倍か美味しくて、2人ともあっという間に食べ終わってしまった。
お昼休みにめんこにして遊ぶために、牛乳のキャップを洗って乾かす。
当番は交代制やから帰りは俺が食器を返しに行って、帰ってきたらAは乾かしたキャップに名前を書いていた。
｢いざ、尋常に！！｣
｢勝負！！！｣
パチっと音を立ててAのキャップが俺のキャップの上に当たったけど、俺のキャップは裏返らない。
何回か繰り返すうちにチャイムがなって、終礼の時間。
今日は水曜日だから4時間授業。
先生が、5月の遠足の話をしていて、俺は心が踊った。
｢来月の遠足は海です！｣
その言葉を聞いた瞬間、横からどんよりとした空気が流れる。
Aを見ると、机にうなだれて悩んだ顔をしていた。
｢どうしたん？｣
｢海ってさ、怖ない？｣
｢？、なんで？｣
｢人類ってな、まだ海の底に辿り着いてないねんて、｣
｢そうなん！？｣
｢そしたらさ、まだ未知の生物が急に襲ってくるかもしらんやん、｣
その言葉を聞いた瞬間、俺の背筋はゾワゾワと冷たくなった。
海がトラウマになったのは言うまでもなくAのせいだ。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ！！！IDでわかるんやからね！私も好き！！！ (2018年12月17日 8時) (
レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき！！ (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね！嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです！！！住野よるさん私も大好きです！！！これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん！コメントありがとうございます！住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです！あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです！ (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じょび | 作成日時：2018年4月8日 1時
