白の女 ページ2
振り返るでしょ?
そうだよね、かわいいもんね
でもね、モデルとかではないんだよ
ばかばかしいじゃん
誰かの指示にしたがって
何ポーズもきめて写真撮られるなんて
モデルとかなんなくたって
こんなに注目されてて
こんなに優遇されてる
「周防さん、おはようございます」
今日も会社に向かう歩道橋の上
うしろから誰かに声をかけられる
「おはようございます」
えーっと、、、誰だっけ?
ごめん、あんまりイケメンじゃない人
覚えられない脳なの
だれー
多分、肩書もたいしたことないんだよね
「こないだの飲み会、とっても
楽しかったですよね!」
あー、わかった
こないだ、同僚の美樹に誘われて行った
合コンに来てた男かぁ
んー、うちの会社なのはここ歩いてるからわかるけど
どこの部署ー?
だめだ、ぜんっぜん思い出せない
名前なんて余計ムリ
っていうか、並んで歩かないで
あんたと知り合いって思われたくない
「あ、ごめんなさい、電話」
鳴ってもないスマホを
バイブ鳴りました、みたいな顔して
とりあえず耳にあてる
「ごめーん、今会社向かってるとこー」
誰としゃべってる設定かもよくわかんないけど
軽くさっきの男に会釈して
小走りで会社の玄関をくぐっていく
よし、離れられたな、我ながらうまい
「あいかわらず朝から男に
つきまとわれとるねぇ(笑)」
男と離れられたと思った矢先
今度は後ろから違う男の声がする
でも、この声は、、、
「隆平、おはよ」
「おはよ、バイブ鳴ってへんのにうまいなぁ」
「あんな低レベルな男と
一緒に出社なんてしたら
私のレベルが下がる」
「おぉ、朝から毒舌ぅ(苦笑)」
今度はバイブが鳴ってないのに鳴ってるふりもせず
隆平を憧れのまなざしで
受付の女どもが見ている中
その隆平と一緒に、並んで歩いていく
「ねぇ、ネクタイ曲がってるよ?」
エレベーターの前
隆平と向かい合わせになって
わざと隆平に近づいて
見上げてこんなセリフを口にする
「まーだ見てるなぁ」
「だからやってる」
お互い目線は外さないまま
話の内容は受付嬢たちのことだ
「朝からへんな男に話しかけられて
機嫌の悪いAに」
言い終わると
ぎゅっと私を引っ張って
「1つサービス♪」
耳元にチュッて
隆平のリップ音とともに
受付嬢たちの悲鳴が
朝のホールにこだました
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ruru(プロフ) - 関係図書かないとわからなくなりそうなくらい絡まってるねー!(笑)謎解きみたいで好きです。主人公の正体が気になるー! (2016年10月20日 7時) (レス) id: c7d4e48120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とも | 作成日時:2016年10月19日 7時