☆ のんびりいこうよ ３ （∞緑） ☆

愛がゆえに ページ33

「大倉ぁ」

「そんな声出しても知らん」

「ねぇってば」

「知らんの！」

「こっち〜」

「向かんの！
　怒ってるんやから、俺は」



プイってして
ベットに入って丸くなってる




おっきいのにな
丸くなってるのかわいー



色白のほくろがいっぱいある背中
ほんと大好きなんだけどな





「ねぇ？」




ふざけてたのに
この人が自分に結婚してくださいって
言ってきたかと思うと
なんだか泣けてきた



こんなことがあっていいんだろうかって
夢みたいで
なんだかちょっとおっかなくなった




いなくなりそう
消えて、落ちていきそう
夢みたいで
信じられないからこそ
すっごく怖い



ピッタリくっつく
大倉の背中に
ぴーったりくっついて
ほんっとに隙間ないくらいに
くっつく




「どうしたん、急に」




私の行動で
さっきと雰囲気が変わったことは
すぐに大倉に伝わる




私のことを１番わかっていて
１番愛してくれてる人
それが
大倉だっていうんだから
ますます怖い





「結婚したい」

「うん」

「結婚したいの」

「うん」





背中にくっついたまま
私の本音の
私のほんっとの本音





「絶対に誰にも渡したくないの」

「うん」

「私ね、大倉を誰かに取られるくらいなら」

「うん」




ふー
１回息を吐きだして
その勢いのまま




「取られるくらいなら
　最初から傷つく前に離れたいって
　そう思ってたよ」





さっきまでうんって言ってた
大倉が返事しなくなった



ね？引くでしょう？
これが本当のところなの
私の本当なんて
汚くてどうしようもなくて
そんなところにずっと漂ってたから
私に大倉は似合わないよ



「あんな？」



黙ってた大倉が口を開いて
何を言われるか
息をするのも忘れて
次の言葉を待つ




「言ったことないけど
　それ、俺もおんなじやねん」




びっくりした
何を言い出すのかと思ったら
私と一緒だと言い出した





「俺も、、、、
　Aを亮ちゃんに取られるって思ったとき
　自分でもびっくりしてんけど
　Aのこと、あきらめようかなって
　思ったことあんねん」




な？引くやろ？
って
大倉も私と同じこと思って、悩んでたんだね

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