不穏な空気 1 ページ29
Aside
『ん …』
窓の外はうっすら明るい。
時計を見ると6時12分。
目覚ましは6時半にかけたんやけど、それよりも前に目が覚めてしまった。
『楽しみなことあると目覚めちゃうよね〜』
半ばそう言い聞かせるように呟いてみる。
なんでこの時間なんかというと、久しぶりのデート…とかやなくて、高校の時の友達と会う約束してんねん！
もう何年振り？！ってやつ。
半年前に同窓会の案内が届いてさ、ずーっと行けてへんかったしタケちゃんに打診したら「その翌日も空けときますね」って。
ドラマの撮影も終盤に差し掛かってるのにも関わらず、それも配慮してくれて…
なんてできるマネージャー！
そして、なんで素敵なドラマスタッフ！！
ということで、ありがたやーって気持ちを胸に今日からわたしは大阪に帰ります。
『…う』
昨晩電源を落としてたスマホを見て思わず変な声。
起動させたら、着信履歴に亮ちゃんの名前が5件。
LIMEも5件。
『まぁ、そうなるわな』
それもそのはず。
絶賛喧嘩中な訳ですよ。
遡ること数時間前。
昨日の夜。
早めに撮影が終わったから、数週間ぶりに亮ちゃんと待ち合わせして、いつもの店でご飯を食べる。
ご飯を食べ始めて中盤に差し掛かったとき、電話がかかってきた。
いつもやったら出んのやけど
相手が相手やったから
『あ、たくちゃんや。ごめん、出るわ』
「は？」
通話マークをタップして耳に当てる。
『もしもし』
〈ごめんな、忙しい時間に。〉
『んーん、大丈夫』
〈A、明日明後日いないんだって？〉
『せやねん、申し訳。なんかあった？』
〈それがーーーー〉
明々後日の撮影時間がズレたって連絡だけやってんけど、話が上手いたくちゃんに乗せられて結構話をしてたみたいで…
亮ちゃんがわたしの前で滅多に吸わへん煙草を吸ってることに気付いたのは、二本目を灰皿に押しつぶしてるとき。
慌てて話を終わらせる。
『あ…えっと、教えてくれてありがとね！また！』
不機嫌そうな顔で、ビールを飲む亮ちゃん。
まずいな、と思いつつ…
『ご、ごめん。撮影の連絡やってん』
「ふーん。あっそ」
付き合って初めての険悪な雰囲気。
彼氏差し置いて、他の人と電話とかありえんことしたな…
亮ちゃんも怒るはずやわ。
謝ろうとしたら、亮ちゃんが先に口を開く。
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でんきゅう(プロフ) - りょんさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(^ ^)今ちょこちょこ書いてます！もうしばらくお待ち下さい！頑張ります(*^^*) (2020年3月14日 0時) (
レス) id: dae04a24ed (このIDを非表示/違反報告)
りょん - このお話楽しくて何回も読み返しちゃってます！！更新していただけるのを待ってます！！ (2020年3月5日 16時) (レス) id: a0566aa22a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でんきゅう | 作成日時：2019年10月21日 5時
