8 ページ14
.
「よし、じゃあ風呂入るか！1人で入る？俺と入る？」
1人で入るって言いそうやなぁって思いながら返事を待ってると
『一緒がいい』
服をギュッと掴んで言うA。
お？と顔を見てみると、何となく思案顔。
「ん、じゃあAが好きな入浴剤でも入れてゆっくり入ろか」
ポンポンと頭を撫でて洗面所に向かった。
先に俺が入って湯船につかってると、Aが入ってくる。
『あんま見んといてよ』
そう言われ、ハイハイとAに背を向ける。
しばらくして俺の前にAが入ってきた。
「はぁ…」
背中を俺に預けてもたれかかるA。
Aの表情が一気に和らいだ。
『ねぇ、亮ちゃん』
「ん？どした？」
『なんかわたし、最近おかしい』
「おかしい？」
『うん。ドラマめっちゃ楽しいんやけど、時々怖くなる』
「怖くなる？なして？」
『自分が、どっちかわからんくなるっていうか…なんか、自分の役に飲み込まれそうになる…というか』
「そっか。自覚はあるんやな」
『え？』
「んーん、いやこっちの話。そんだけ真剣に向き合ってるってことやと思うで。でも、役の子になられたら、俺困るなぁ」
『困る？』
「そりゃ、俺の好きなAやなくなってまうってことやろ？役のAも好きやけど、俺はAそのものが好きやねん。」
キュッと肩を抱きしめる。
「もし、またそう言う状況になったら俺のこと思い出して。そしたら飲み込まれることなんて絶対ないから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でんきゅう(プロフ) - りょんさん» コメントありがとうございます！嬉しいです(^ ^)今ちょこちょこ書いてます！もうしばらくお待ち下さい！頑張ります(*^^*) (2020年3月14日 0時) (
レス) id: dae04a24ed (このIDを非表示/違反報告)
りょん - このお話楽しくて何回も読み返しちゃってます！！更新していただけるのを待ってます！！ (2020年3月5日 16時) (レス) id: a0566aa22a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でんきゅう | 作成日時：2019年10月21日 5時
