8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ45)

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扉を開けるとカランと、いい音が鳴る。
マスターがこっちを見て

マ「久しぶりだな、来るの。奥どうぞ」

カウンターの1番奥に案内してくれる。
ちなみに、そこがいつもの定位置。

『マスター、相変わらずダンディやね』

マ「そうやって言うのはAくらいだよ」

「え、俺もそう思ってたけど」

『ほら！』

マ「はいはい。で、何する？」

軽くあしらわれるけど、嫌な気にならんのがマスターの凄いところ。

「んー、俺マティーニにしよかな」

マ「Aは？」

『わたしねー、さっぱりしすぎず、ほんのり甘くて、ちょい度があるやつ』

マ「…オーケー」

毎回ここにくると、今の気分を伝えて、それをカクテルにしてもらってる。
後ろの棚にずらっと並んだリキュールから必要なのを選んでそれをシェイカーに入れてシャカシャカ。
マスターもプロやから、わたしの好みも熟知してるんよね。
今日はなにかなぁ～

マ「はい。マティーニとスロージン・フィズ」

受けとり、2人で乾杯する。
一口こくっと飲む。

『美味しい…！』

マ「亮も好きだと思うよ、それ」

『飲む？』

「のむ」

一口飲んだ亮ちゃんの目はキラキラ輝く。

「A交換しよ」

『え！あかんよ、これわたしのやから』

「ええやん、減るもんやないし」

『いや、飲むと減るやん』

そんなやりとりをしてると、またカランと扉が開いた。

マ「いらっしゃい」

？「ふたりなんですけ…あ。」

「『あ』」

入ってきたお客さんはまさかの、タケandヨネ。

わたしたちに気付いたタケちゃんはこっちに近づいて来る。
後ろに隠れてるヨネちゃんを見て、思わずニヤニヤしちゃうわたし。

「？Aどしたん？そんなニヤニヤして」

『いんや、別に？タケちゃん、ヨネちゃんお疲れ様！』

声かけると、必然と一緒に飲むことになるよね、ね！
いやー、偶然の産物♡

隣の席に2人が座り、飲み物が渡される。
4人で乾杯。

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