8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ40)

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『ねぇ…亮ちゃん怒ってる？』

「え？」

『眉間にシワ』

Aに指摘されて眉間にシワがよってることに気付いた。

「いや、怒ってるとかちゃうねん」

『なんかごめん』

「ちゃうねん、ごめんやないねん」

しゅんとしてるAを見ると、居たたまれん気持ちが溢れてくる。

「……ダサいこと言うけど、引かんとってな」

『うん』

「丸が羨ましかっただけ」

『うん？』

キョトンとした顔のA。

「～～～っ、やから！1日Aと過ごした丸が羨ましいし、こんな可愛くなったAを1番最初に見たかったなって…思ってただけ！！」

早口で捲し立てる。
恥ずくなって思わず顔を手で隠すと、Aがふっと笑った。

『ふはっ、もう、可愛すぎるやろ、亮ちゃん』

顔を赤くしながら笑ってる。
なんか幸せそうに笑ってるし、このA見れたからまぁえっかって思っちゃう、俺ってちょろいな。
でも、そんなA見とると別の気持ちが込み上げてくる。

「あー…」

『亮ちゃん、どしたん？』

笑い過ぎて流れてきた涙をぬぐいながら聞くA。

「はよ食べて帰ろ」

『えー？さっききたばっかやん』

「独り占めしたいねん、早く」

『え！』

「Aが悪いねん。丸と遊んだりするから」

笑いながら話すと、そんなこと言ったって…と、顔を赤くして言ってる。
そんなの聞いてないフリして、次々と飯を食い荒らしていき…

「ごちそーさま」

『はや！』

「もしAがこのあとお腹空いたらコンビニで何か買ったるから大丈夫。…テツさん！」

テ「はいよー」

その場で会計して

「ほら、帰るぞ」

手を差し出すと、Aはおずおずと握る。
そのまま店からでて、通りでタクシー拾って、今日はAんち。

『亮ちゃん、あんさ…』

「ん？」

『…今日、うちに泊まる…？』

「うん、そのつもりやけど、あかん？」

『んーん、あかんくない。…もっと、一緒におりたかったから…』

「ーーー、そっか」

キスしたい衝動を抑えてぽんぽんと頭を撫でた。

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