8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ18)

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寝室2 ページ18

錦戸side

Aが俺の横にコロンと転がってる様子を見て、もう嬉しくてたまらん。
そんな俺とは逆に何か緊張しとるA。
どうやったら笑顔になるかなと思ってると、

『なして泊まらせてくれへんかったん？』

と、聞かれた。
今まで泊まらせたことないことに疑問を持ったみたい。
それについて恥ずいけどほんまに思ってたこと言ったら、A は笑顔になった。
肩の力も抜けたし、話しやすい雰囲気になった感じがする。

ということで…

「じゃあ、そろそろ本題にしよか？話しにくいことあったら別に端折ってくれてええからな」

『ん、わかった』

Aは目を閉じる。
しばらくしてゆっくり目を開けて話し始めた。

『パパドルのさ、放送があってから…嫌がらせが始まってんな。嫌がらせって言っても変な手紙やねんけど』

「手紙って事務所に？」

『ちゃうねん。直接うちに届いててんか。』

「え、じゃあなに？最初から家がバレてたってこと？」

『そうみたい。けど、あんときは∞にとって大事な時期やったからわたし1人でなんとかせなって抱えちゃってんなぁ』

そう言いながら右手の親指を見せる。

『みて、これ』

そこには傷跡が。

『油断して手紙を読もうとしたらその中にでっかいカッターナイフの刃が仕込んであってザクッと』

「いった…！」

想像して自分の指が痛くなる。
当時、Aがファンに怪我させられたって話しか聞いてなくて、詳しくは教えてもらえんかった。
それから7年経ってようやく…

『怪我した日、疲れてたから傷に絆創膏大量に貼って、それに満足して寝てもーてんか。痛みもそんななかったし』

「は？痛くないわけないやんそれ！」

『ほんまよねー。そんときはほんま痛くなかってん。そんで次の日に、撮影行ったら監督に目敏く見つかって、タケちゃんと潤が付き添って病院に連行。先生に怒られながら処置されたなぁ』

「当たり前やん、俺でも怒るよ」

『そうやんなぁ。痛くなかったし大丈夫って思ったのがあかんかった。実際撮影行ってみんなに言われて痛み出した感じやもん』

指を撫でながらそういうA。