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「あ、えっと.....」
『顔色、よぉないですよ？とりあえず、座ってください』
｢...あ、ごめんなさい。ありがとうございます...」
大都会の朝の満員電車。
うとうと眠っていたり、スマホの画面に夢中になってる人ばっかりで、
誰一人、他人に関心を示さない中、
この優しい声の持ち主は、
私に席を譲ってくれた。
有難く、彼と入れ替わって座らせてもらうと、
十分にお礼も言えないまま、眠りについてしまった。
.
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神保町〜神保町〜
......神保町.....
......ん？.....じ、神保町！？
車内アナウンスに、はっと驚いた時にはもう遅くて、
降りるはずの表参道をとっくに過ぎていた。
やばい、やってしまった......
とりあえず神保町で降りて、会社に連絡しないと、
プシューとドアが開く音が聞こえて、人の合間を遠慮がちに縫って降りる。
車内で眠っていたせいか、さっきまでの不調はほとんど解消されていた。
私が降りる時には、さっきの優しい男性はもう居なかった。
どこで降りたんだろう？
スーツ来てたから社会人だよね？
見た目は、私より5つくらい年上で、
大人な雰囲気と柔らかい雰囲気を持ち合わせてる人だった。
顔立ちの整った、かっこいい人だった.....
ちゃんと、お礼が言いたかったな。
今まで気づかなかっただけで、
毎日、同じ電車に乗ってるのかな？
いや、あんなかっこいい人が乗ってたら、
絶対気づいてるはず。
また、会えたらいいな
会ってちゃんと、お礼が言いたい。
上手く話せる自信は.....ないけど。
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作者名：みるく | 作成日時：2024年1月3日 15時
