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課「はい、こちらー、新卒で今日から働く雨下さんな」
「雨下です。よろしくお願いします。」
入社してから3ヶ月。
4月から続いた長い研修も開けて、7月から担当部署に配属された。
アパレル系企業の事務員として、お客様のクレーム対応だったり、書類事務だったり、
環境の変化と、仕事の忙しさで、たぶん、
気づかないうちに疲れが溜まってたんだと思う。
ガタンゴトン.....
ガタンゴトン......
いつもと同じ、7時少し前の満員列車。
私の駅からだと、既に満員で、朝1度も座れたことはない。
目的の駅まで1時間ちょっと。
朝の通勤列車は停車する度、降りる人<乗る人の状態で、窓付近に立っていた私は少しづつ座席付近へ押しやられていく。
乗車してから20分。
座席の前に押しやられて、夏の少し暑い車内で懸命に吊革に捕まってた。
やっと慣れてきた満員電車。
いつもなら、なんともないのに。
急に目の前がクラクラグラグラしてきて、嫌な汗が首を伝う。
え、なにこれ.....
貧血?
小学生以来、風邪も引いたことがない、滅多に体調を崩さない私は、突然の体の異変に動悸が激しくなる。
次の駅は?次の駅で降りなきゃ....
そう思うのに、この快特列車はついさっき駅を出発したばかり。
あと10分は止まらない。
どうしよう....
気持ち悪い.....
座りたい、横になりたい.....
あまりの辛さと不安に、押しつぶされそうになった時、
『あの、大丈夫ですか?』
斜め下から降ってきた優しい声。
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作者名:みるく | 作成日時:2024年1月3日 15時