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伊沢side
『ねっむ……』
今にも閉じそうな目をこすりながら必死に意識を目の前のパソコンの画面に向ける。
と言っても今は真昼間で完全に俺の寝不足が原因なのだが。オフィスで隣で作業しているふくらさんの目線が痛い。
ふくらさんはいかにも寝不足だろ、と言いたげな表情でこちらを見ていた。
できる限りその視線を躱しながら終わりの目処が見えてきた編集作業に打ち込む。
『とりあえず今やってるのは終わったよ。』
とりあえず一つの編集を終わらせ、横にいるふくらさんに報告する。
ふくらさんは軽いため息をついた後、僕のパソコンを閉じ、向こうにあるソファを指さした。
福良「はーい。とりあえず15分仮眠して。また起こすから。」
『分かってたか。昨日YouTube見すぎたんだよなぁ』
あざっすと呟いてソファに横になる。相当眠かったので直ぐに意識が薄れていった。
ピピピピ………
甲高いアラームの音で直ぐに目が覚めた。ふくらさんがセットしておいてくれたらしい。起き上がってアラームを止めようと机に目を向けるとそこには音の発信源のスマホと共に魔剤が。
やるなぁ。しかも眠気覚ましにしては割とハードなのを持ってきやがった。テーブルで編集作業をしているふくらさんを少し睨みつけるとニッコリと笑って返された。
僕はアラームを止め、隣にあった魔剤をぐっと飲んだ。
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しっかりと目が覚め、編集を続けていると玄関の扉が開く音がした。今日は撮影がないけど誰が来たのだろうか。
オフィスに入ってきたのはAちゃんだった。今日は一人で来たらしい。
AちゃんがQuizKnockに入って1週間ちょっとが経過したが、Aちゃんは撮影のない日でもほぼほぼ毎日オフィスに来て、記事や編集について勉強している。そして飲み込みが早いので無理にならない程度で編集作業を一部任せたりもしている。
大学の方も大変なはずなのに合間を縫って来てくれているのは嬉しいし、それで任せた編集も完璧なんだから本当に凄い。
『Aちゃん。いらっしゃい。』
A「こんにちは。」
机に座りパソコンを広げるAちゃんの顔色が少し悪い。一昨日に任せた仕事が少しキツめなものだったから無理したのかな…
ちらっとふくらさんの方を見やるとふくらさんは小さく頷いてキッチンの方へと向かった。
キッチンから戻ってきたふくらさんの手にはさっき僕に渡したものとはまた違う女性向けの栄養ドリンクが握られていた。
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エリ(プロフ) - きららさん» ありがとうございます!生き甲斐だなんて宜しくないですよ( ˇωˇ )これからも頑張ります、ありがとうございます! (2019年7月22日 18時) (レス) id: 289df29eb3 (このIDを非表示/違反報告)
きらら - もう、生き甲斐になってます(*´∀`)♪ (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
きらら - いつも面白いお話を書いてくださることに感謝しかございません!これからもエリさんのペースで更新頑張ってください!毎日更新楽しみにしてます! (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリ | 作成日時:2019年7月13日 21時