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水上side
今日は一段と暑い。確か今日は最高気温が35度を超えると朝テレビで見た気がする。それだけ暑いので歩いているだけで汗が滲んでくる。
僕の隣で歩きながら暑いですね、と話しかけてくる彼女は顔を赤くしながら少し汗ばんでいた。距離が近いのもあって香水のいい香りとともに少し汗の匂いがする。横目でその姿を見て心を高鳴らせ、さらにそれを隠すためにそうだね、などとありきたりな返事を返す自分に自分で呆れてしまう。
この子が来てから何かがおかしい。
いつも女性に話しかけられたり、仲良くさせてもらうことはあった。でも
その人たちと話す時とAちゃんと話す時。僕の中の何かが違う。
昨日彼女がふと見せた関西弁とはじける笑顔。さっきまるで姫のように振る舞った時も。彼女の違う姿を見るたびに僕は言葉にできない感情を抱く。
オフィスへまっすぐ歩いていっても彼女が見せる一挙一動が気になって横目で見ては目をそらす、さっきからそれの繰り返しだ。
オフィスについてからもそれは変わらず、問題の読み手をしている彼女をチラチラ見てしまう自分がいる。
そしてたまに目があった時には微笑んでくれる。僕がそれを見てまた心を高鳴らせていることに彼女は全く気づいていないだろう。
しかし彼女にとって僕は単なる仲間。それ以上でもそれ以下でもない。
それは僕にとっても同じだ。ただクイズを一緒にして、同じQuizKnockのメンバーとして活動する。僕にとって彼女はただそれだけの存在なはずなのに。
僕はまだこの気持ちに気づくことができない。
心の奥底ではわかっているはずなのに。
その感情が認識できないんだ。
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エリ(プロフ) - きららさん» ありがとうございます!生き甲斐だなんて宜しくないですよ( ˇωˇ )これからも頑張ります、ありがとうございます! (2019年7月22日 18時) (レス) id: 289df29eb3 (このIDを非表示/違反報告)
きらら - もう、生き甲斐になってます(*´∀`)♪ (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
きらら - いつも面白いお話を書いてくださることに感謝しかございません!これからもエリさんのペースで更新頑張ってください!毎日更新楽しみにしてます! (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリ | 作成日時:2019年7月13日 21時