仮面の下を見せてよ

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Aside

撮影緊張したなぁ…
こうやって自分の声が電波に乗せられて色んな視聴者さんの元に届けられていくのってすごく不思議な感覚…
撮影が終了してそのまま撮影部屋で駄弁っていると、1人の方が急に立ち上がった。確か渡辺さんだっけ。
渡辺さんは私の方を向きながら驚いたような声を出した。

渡辺「あっ思い出した！！！俺やっぱり立原さんのこと見たことあるわ！！」

山森「そうなんですか？？」

『…ん？』

まさか自分の話だとは思ってなかったのでびっくりする私を他所に渡辺さんは言葉を続けた。

渡辺「こないだ同じ学部のやつが告って振られたって聞いたんだけど多分それ立原さんだよね？」

まだ図書館で見た事ある〜とかだと思っていた私はパニック状態に陥る。
見たことあるってそういう形でしたか…
とりあえず落ち着いて思い当たる節がないか考えてみる。

残念ながら(？)思い当たる節がある。先月辺りに法学部の人で歳も同じくらいだったような…
そして知らない人だったので秒で振った記憶がある。まさかこんな所でその目撃者に出会うとは。
妙な沈黙が続く中タクが口を開いた。

川上「あー多分それこいつです。こいつめちゃくちゃモテるんで。」

更にびっくりする。私の事だと気付きそうだが二言目がとても余計だ。
私はその空気に乗じて認める。

『…それは私な気がします…』

山本「あ、それ知ってるかも。工学部の氷の小悪魔だっけ？」

今度は山本さんが口を開く。
これはもうダメだ。そもそもあの渾名が山本さんの耳にまで届いているというのは驚きだが。
別に隠そうとは思ってなかったけどこれはもう限界かな…
はぁ、と溜息をつきながら重い口を開く。

『それも私ですね。』

山森「え、すごいじゃん！」

隣にいた彩加さんがいいなーと声を上げる。

『良くないですよ…』

伊沢「でも今知れて良かったんじゃない？」

福良「そうだね。動画では本名を出すから、自分を知っている人が見る可能性もある。だから今のうちにみんなに情報を共有していて良かったと思うよ。」

そうか。そういう可能性もあるのか。
動画では本名を出してるし、さっき作ったSNSも本名で作ってあるから割と知ってる人が見てるかも。

にしてもこんなメンバーのうちの大人数に知られたというのはちょっとショックかな…見てる限り初めて知ったって人もいるしその人たちには知らないままでいて欲しかった…

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