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山本side

冷房で冷えた車内に入ると、汗が一気に引いていく気がする。
今日はQuizKnockの撮影でオフィスに行かなければならないのだが、今は真昼間。こんなに暑くなるのなら朝からオフィスへ行っておけばよかったと後悔している。

しかし電車の中で涼む時間もそう長く続かず、すぐにオフィスの最寄り駅に着いてしまう。
暑いところに行きたくないが行かなければならない。渋々と電車を降り、駅から出ると、突き刺さるような日光。

早くオフィスに行こう。なるべく日陰を通るように気を配りながらオフィスへの歩みを進めた。

これはあれか。最近女性がよく持っている手持ち扇風機とやらを買うしかないか。そんなことを考えながらオフィスへ向かっていると途中にある公園にAちゃんがいるのが見えた。

ハーフアップにしたストレートの髪に凛とした横顔。彼女で間違いない。
彼女は公園の真ん中に立ち、発声練習をしていた。
風になびく綺麗な髪と少し膨らむスカート。そして透き通るような発声。僕は自然に公園の中へ歩いていた。

邪魔にならないように静かに入って彼女の少し後ろにあるベンチに座る。彼女は目を瞑りながら発声をしているので恐らく僕の存在に気づいていない。とても綺麗な声で発声をしていて、暑いなんて忘れてしまうくらいだ。

程なくして彼女が発声をし終わり、僕が拍手をすると、彼女がすぐさまびっくりしたように振り向いた。

A「なんでここにいるんですか…」

Aちゃんは本当に僕の存在に気づいていなかったようでびっくりしているようだ。
Aちゃんのびっくりしている表情にどこか不安さが垣間見えた。もしかして見たらまずかったかな。

『通りすがりに見かけてつい、ね。もしかして、見られるの嫌だったかな…それだったらごめん!』

手を合わせて謝るとAちゃんは少し息を吐いてから大丈夫ですよ、と笑いかけてくれた。
よかった。僕は胸をなでおろした。
そういえば、ここにいるっていうことはAちゃんもオフィスに用があるのだろうか。

『Aちゃんもオフィスに行くの?』

A「はい。」

Aちゃんもオフィスに行くのか。じゃあ今日の撮影に参加するのかな?
どちらにしろここでこのままずっといる訳にもいかない。現に僕の額には汗粒が浮かんでいる。

『じゃあ、一緒に行こっか。』

僕は公園の出口の方へと歩き出した。
炎天下、僕達は1秒でも早く涼しい空間にたどり着くべく自然にオフィスへの歩調を早めた。

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エリ(プロフ) - きららさん» ありがとうございます!生き甲斐だなんて宜しくないですよ( ˇωˇ )これからも頑張ります、ありがとうございます! (2019年7月22日 18時) (レス) id: 289df29eb3 (このIDを非表示/違反報告)
きらら - もう、生き甲斐になってます(*´∀`)♪ (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
きらら - いつも面白いお話を書いてくださることに感謝しかございません!これからもエリさんのペースで更新頑張ってください!毎日更新楽しみにしてます! (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリ | 作成日時:2019年7月13日 21時

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