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シワがなかった制服が少し馴染んで、新しい友達もできて
勉強は少し難しいけど、学校生活や部活にもなれた。
「真白ちゃん、これお願い」
「はい！」
次々と増えていくマネージャー業務。
最初は覚えるのにも必死で大変だったけれど、今はすごくやりがいのある仕事だ。
干したてのふかふかのタオルを畳んでカゴに入れて、あらかじめ用意した冷えたボトルのカゴを持ちながら
少し離れたベンチに座っている先輩の方へと持っていく。
ある日の練習試合の時ー…
「練習試合の後、皆におにぎり作るよ」
「はい」
「夏休みも合宿で作ったりするから、慣れてね」
「え……」
「真白ちゃん、顔ww」
飲食店でよく見る、業務用の炊飯器がある。
これだけの量を3人で握るのは結構大変だなぁ…
「熱いからヤケドに気をつけてね」
「は、はい」
「真白ちゃんのおにぎり、ちっちゃくて可愛い」
「先輩みたいに大きく握れません」
炊き立てのご飯はほかほかで、すごく熱くて大変で
2人の握ったおにぎりを比べるとひとまわり小さなおにぎりになってしまった…
けど、つまみ食いをしながら握ったのはマネージャーだけの秘密だ。
「「いただきまーす」」
と勢いよくもぐもぐと食べていく疲れ切った選手達。
作り甲斐があるなぁとお茶を淹れ終わり、少し離れた所でひと息をついていた。
すると赤葦が、こちらに歩いてきて隣に座り込んだ。
「真白は食べないの、おにぎり」
「うん、さっき一個食べたから大丈夫」
「そっか…」
「赤葦、何個食べたの？」
「5〜6個ぐらいかな、練習試合の後だしね
流石にお腹は空くよ」
「晩御飯食べれなくなっちゃうよ？」
「大丈夫、ちゃんと食べる」
隣でおにぎりをもぐもぐと食べている赤葦。
チラリとみると小さなおにぎりばかりがお皿に並んでいる
「私が握った…やつ」
「やっぱり、真白が握ったんだ…
ひとまわり小さいから食べやすいんだよね」
「そ、そっか…」
「うん、すごく美味しい」
「ありがとう」
それ以降、赤葦は私の握ったおにぎりを選んで食べていて
私自身もあまり気にしてはいなかったけれど……
私がその理由を知るのは、まだ先の話…
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作者名：るあ | 作成日時：2024年3月7日 23時
